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玉森side
物心ついた時から、俺とAはずっと一緒にいた記憶がある。
正直、Aの両親よりAと一緒にいる時間が長い、って言える自信もあるし、世界で誰よりもAのこと理解してるのは俺だと思っている。
可愛いAを、隣でずっと守ってきたのは俺だ、って胸を張って言うことができる。
……それを思うと、いつからだろう、俺がAの髪の毛に触りたいと思うようになったのは。
サラサラでふわふわしてて、風に靡くといい匂いがするその髪の毛に。
また、俺がAのことを守り抜きたい、って思うようになったのもいつだったかなぁ。
元々、人見知り、人前に出るの嫌い、というお互い内気な性格の俺らが仲良くなるのに時間はかからなかったし、ほんとに小さい頃から一緒にいたから、正直俺の隣にAがいるのは、当たり前のことだと思っていた。
俺とAは、同じ幼稚園に通っていたんだけど、小さい頃のAってショートカットだったのよ。
だから、髪の毛結ばないで下ろして幼稚園来てて。
可愛い笑顔で俺の前を走っていく度にふわって香るいい匂いがすごい好きだった。
そして、それに比例して他の奴らもAの髪の毛の匂い嗅いでるって思った時、すんごい胸の辺りがモヤモヤして、ほんと死にそうなくらい嫌だって思ってた記憶がある。
そして、いつだかAのあの笑顔を守りたい、って思うようになっていった。
だから、俺以外の男と喋ってる時すんごい嫌な気持ちだったし、物騒だけど、そいつのことぶん殴りたいと思ってたし。
幼稚園は、沢山男の子がいるから、人見知りなAを守ろうと、俺も人見知りなりに頑張っていた。
遠回しにAは俺のものだ、って幼稚園の先生とか、同級生とかに見せつけたりもしたことも確かあったっけ。
あ、そういえば、幼稚園の制服って、基本男女問わずみんなお揃いじゃん?
俺、あの服大好きだったの。
……なんでかって??
だって、Aとお揃いだったから。
もともと、男女、って事で中々お揃いの服を持てない中、それだけは唯一のお揃い。
あんなに可愛いAとお揃いの服持ってるんだよ?
人生で1番幸せだったよね。
で、俺は俺の視界の中に常にAが入るように行動して、楽しく幼稚園LIFEを送ったんだよ。
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作者名:百花 | 作成日時:2021年2月2日 16時