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「付き合うことにしました」
翔さんにそう報告すると、ニヤッと笑って
「そうか。よかったな」
買ってくれた缶コーヒーで乾杯した。
「潤、おめでとう」
仕事帰り、アパートの前で偶然会った雅紀に声をかけられた。
「え？」
「Aちゃんとうまくいったんだろ？ミサもすっごく喜んでた」
「ミサちゃんから聞いたの？」
「うん。Aちゃんが嬉しそうに、潤の彼女になったよって話してたって。大好きのキスもしてくれたって(笑)」
「なっ、／／／」
俺の反応を見て、さらに笑いながら、俺の首に腕を回して
「ラブラブだねぇ〜」
って言ってきたから
「うるせーよ」
って、お腹にパンチを食らわせてやった。
Aに、ミサちゃんに俺たちのこと話さないように言っておかないと。
Aのことが好きだと自分に認めてから、日常の景色が変わった気がした。
Aに起こされて、一緒に朝食を食べ、Aに見送られる。
Aに迎えられて、一緒に夕食を食べ、テレビを見ながらたわいもない話をする。
文字にすると今までと同じようだけど、全然違う。
笑い合い、触れあい、キスをして、抱きしめ合う。
体も心も満たされ、癒され、愛しい。
衣替えのために開けたクローゼット。
視界の端に映った、今までは見ないように避けていたその箱に、自然と手が伸びていた。
ふたを開ける。
Aの使っていた食器、着ていた服、丸まっていたブランケット。
それら一つ一つにAの思い出が思い浮かんだ。
気配に振り返ると、そこにはAが立っていた。
「おいで」
Aを呼び、犬のAの話をする。
あぁ、俺、Aのこと、こんなに穏やかな気持ちで話せるようになったんだな。
これも全部Aのおかげだな。
Aを引き寄せ、背中から包み込むように抱きしめる。
スカートの裾から見える足の傷に触れる。
Aと同じ傷。
頭の中に浮かんだのはピンクのリボン。
そして、真っ赤に染まったリボン。
「潤、どうしたの？」
Aの声が、悲しみに取り込まれそうになった俺を、呼び戻してくれた。
気持ちを切り替えようと行った公園で、翔さんたちに会い
目下の一番のライバル和君からの告白に、笑顔で「うん」と答えるAに
さりげなく、俺の気持ちと決意を伝えたつもりだったのに、全然伝わってなくて。
まぁ、これから時間はたっぷりあるから。
俺の愛と『大好き』をめいっぱい伝えてやるよ。
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ちな(プロフ) - ホクさん» ホクさん。お返事遅くなってごめんなさい。嬉しいお言葉をたくさんありがとうございます。楽しんでいただけたようですごく嬉しかったです。 (2021年4月14日 13時) (
レス) id: c148e10e11 (このIDを非表示/違反報告)
ホク - とても感動しました。他にはないストーリーだったのでとっても面白かったです！ (2021年3月29日 9時) (レス) id: 4442ae36ba (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - ゆーみんさん» ゆーみんさん。お返事遅くなってごめんなさい。いい作品と言っていただけて、本当に嬉しいです。元気出ました。ありがとうございました。 (2020年5月26日 18時) (レス) id: 39df0fabf1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - 泣けてしまいました！凄くいい作品です！違う作品でも頑張ってください♪ (2020年4月28日 9時) (レス) id: b7e3681104 (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - rikapika18さん» rikapika18さん、はじめまして。めちゃくちゃ感動したとか、私の方がめちゃくちゃ感動で、すごく嬉しかったです。楽しんでいただけたならよかったです。本当にありがとうございました。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: 39df0fabf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちな | 作成日時：2019年6月14日 0時
