09. ページ9
「どっか行ってたん？」
「図書館で課題してた」
「そうなん？俺も今から図書館行くねん」
廉と話しながら周りをみると
さっきまで傍にいたAがいない。
慌てて辺りをみるとコンビニの中にいた。
ホッとしてそのまま廉と話を続ける。
「てかなんでアイスなんか食べとん？」
「暑いから気分で？」
「じゃあ今度奢ってな、顕嵐」
廉がにっこりと笑って奢れよ？
と念押しに言ってくる。
はいはいまたな！って笑って。
じゃあなって廉と別れた。
「あらん」
「急にどっか行くなよ、A」
「ごめん、アイスの棒捨ててた」
「あ、俺も捨ててくる」
店内に戻ってぱっとゴミを捨て、
またAと並んで家へ戻る。
からからと自転車が鳴る。
「ねぇ、あらんって好きな子いるの？」
「…うん、まぁいるかも」
「いるかもってなによ？」
だってそれが死んだはずなのに
今ここにいるなんて意味分かんねぇし。
だけどそんなこと言えるはずない。
「……さぁ、どうだろうな」
「もー！あらんずるい！」
怒っているのに瞳は笑ってて
楽しそうで、幸せそうだから。
思わず手を伸ばして頬に触れる。
Aは驚いたようにこっちを見るけど、
俺を拒みはしなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 331人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りみるく(プロフ) - はじめて奏藍さんの作品見させていただきましたが、すっごく感動です！完結して少したっても消さないで欲しいです、、 (2017年7月9日 12時) (
レス) id: 86b0595696 (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - 初コメ失礼します！キミイロココアの方、だったんですね！廉くんのイメージが強…顕嵐くん目線の物語、気に入りました！なぜ主人公ちゃんが居るのかはとても気になる所なので、更新楽しみにしています！無理せず頑張って下さい！ (2017年5月20日 12時) (レス) id: 4baeef7a64 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ - 新作おめでとうございます!キミイロココアはかなり気に入っていたので、キミイロシリーズが出て嬉しいです。今後の展開が楽しみです♪更新頑張って下さい、応援しています＊ (2017年3月28日 20時) (レス) id: 59406cc068 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
