【名前変換オリジナル】先生こーりゃくっ！！

10話 ページ12

夜の空気が冷たい。
日中はあったかくて春になった感じがしたのにな。

「行くぞ」
「…はーい」

駐車場まで歩くのさえめんどくさい。
……あ、そういえば。

「先生」
「ん？」
「部活のとき、変なこと言ってすいませんでした」
「は？…ああ、『いい匂いする』ってやつね。あれはビックリしたわ」
「ほんとすいません！！」

先生は真顔で言葉を重ねていく。

「あのあとお前を保健室に連れてってまた体育館に戻ったら、部員笑ってばっかで全然練習して ねぇし、俺の顔見てさらに何人か笑い出すし、香水つけてるか聞かれるし」
「…ごめんなさい」
「挙句の果てにお前が全然起きなかったから俺帰れなかったし」
「ねちっこい！！」

思わず怒鳴ると先生は笑った。

「冗談だ。…いやほんとだけど、別にそんな気にしてない」

じゃあそんなに私を追い詰める必要はないだろ。
非難の視線で先生を見ると、先生はまた笑った。

「すげぇ顔だな。あー怖い怖い」
「……」

くだらない争いをしているうちに先生の車の前に来た。
先生のご命令(笑)で私は助手席に座る。

「家どっち？」
「右です」
「…せめて東西南北で答えて」
「向こうの方です」
「……お前さっきのこと根に持ってるだろ」

そんなことないですよー、と笑いながら自分の家の住所を教える。
……まあ十年はうらむけど。

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