23．なつやすみ。 ページ23
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先生にこの間にのさんが言ってた"そうゆうこと"の意味を聞ける日は来なかった。
来ないまま夏休みになってしまった。
あの日はただ家まで送ってもらって、車の中から眠そうに手を振る先生を眺めて、それだけ。
私がバイトだって言うからきっとわざわざ来たのかな。
どうして。
でもどうして来たか、なんて理由を知って
傷つくのも、期待するのも嫌で。
怖くて、先生と一緒にいても声が出てこないまま。
夏休みはシフトを詰め詰めにしてもらって、できるだけ働いていた。
みんな旅行行ったり忙しい時期でもあるし、休みの人の穴は私が絶対埋めてる。
その分忙しい日も多くなった。
何も考えずにいられるから、私にとってはそこまで苦にならなかった。
先生とは、ただの生徒と教師だから。
もちろん連絡先も知らない。
今何してるのかも分からない。
けどそれが普通の距離のはずで。
この夏休みで、先生への気持ちが薄れたらいい。
そう思ってた。
ちょうど並んでたお客さんを捌いたあと、納品トラックが来て、今度は品出しで忙しくなる。
棚に向かって黙々と並べていくのも、私は結構好き。
「忙しそうね」
後ろから声がして、振り返ると
にのさん。
「あ、レジ……」
と立ち上がろうとしたら、「まだ大丈夫」と手で制して、やってろと言うみたいに手の甲をヒラヒラさせた。
私の後ろに立ったまま、後ろの棚を眺めて
「終わり何時〜？」
と顔を合わせないまま聞く。
「先生の遣いですか？」
なんとなくそう思って聞いたら、
「違う違う笑、あの人いま東京湾」
え、遂に沈んだ？？？ってふと思ったけど、
釣りするっていう言葉を思い出して、腑に落ちる。
「じゃあ、どうしたんですか？」
「あなたにお話があんのよ」
そう言って後ろの棚から、小さなチョコ菓子を取った。
「で、何時？」
「……お昼には終わります」
控えめに目も合わせずそう答えたら、わかったと返事して
「その時間にまた来るわ」
とレジのほかの店員の元へ歩いていった。
にのさんの声色は、心做しか前より少し冷たく感じて。
昼過ぎに何を話せばいいのか
何を聞くことになるのか
こわい。という感情だけ、手元に残っていた。
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憂(プロフ) - みやさん» みやさん。コメントありがとうございます。こちらの私情であるにも関わらず応援して頂きまして、本当にありがとうございます。これからも先生と主人公ちゃんをよろしくお願い致します( •̥-•̥ ) (2022年12月1日 9時) (
レス) @page40 id: 39a6e0a5de (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 憂さん、はじめまして せつと申します。人生最大ゴタゴタの中素敵なお話を紡いでくださりありがとうございます。スローでもよきよき♪待ってますので 憂さんのペースでどうぞ。いい子で次のお話待ってますね。 (2022年12月1日 9時) (レス) @page40 id: a88f73c135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂 | 作成日時：2022年11月4日 3時
