７．共犯 ページ7
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「だってさあ、働かないといけないとかそういう事じゃないのお？」
「まあ、はい、」
煙草の灰をポケットから出した携帯灰皿に、親指で弾いて落とす。
紫煙が目に染みたのか、目を擦りながら椅子を揺らした。
「お家の人は？」
「バイト、してるのは知ってる、はずです。」
「はず？」
「はい、ここ1年くらい会ってないので、はっきりとは……。」
そーゆことね、と煙混じりに呟いて、俯く。
なんで会ってないのか、とかそういうことは全く聞かずに、私の言葉にただ頷いていた。
「生活はできてんの？」
「……食費とかは親がくれるし、光熱費も親から引き落とされてると思います、」
「それ以外に自由になるお金が無い？」
「はい。」
別に必要なわけじゃなかった。
服も沢山買わないし、化粧品を集めてる訳でもない。
友達とも遊ばないし、お金を使わないという選択もある。
だけど、お金よりも、
なにより家でじっとしている時間が苦痛で。
ただ外に目的を作りたかっただけ。
「じゃあ、共犯ね」
「は？」
「俺はAのバイト、黙っとくから。」
急に名前を呼ばれて驚いて、
先生の言葉に驚いて。
心が忙しい。
「でぇ、Aは俺の煙草、っつーか、この部屋の私物化？を黙っといて。」
ね？？とふにゃっと笑ったその顔が、やっぱりとても先生には見えなくて
すこしだけ
ワクワクした。
「……はい」
「よし！！」
そう言って短くなった煙草を携帯灰皿に押し付けて、すこしだけ咳払いをする。
私の家のことを聞いて、こんなに淡々と聞いてくれた人は初めてだった。
大抵みんな、心配して悲しい顔をして、何があったの、と事情を聞きたがる。
私にはそれがすごく負担だった。
何があったかなんてこっちが聞きたいんだから。
「ねぇ、今日バイトある〜？」
「あ、え、ないです」
「んじゃ、飯でも食いいくかぁ〜！」
「え、や、でも」
奢ってやるから気にすんな！と笑いながら立ち上がり、
最後だったのであろう煙草のソフトケースをクシャッと潰す。
そういうことじゃ、ないんだけど。
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憂(プロフ) - みやさん» みやさん。コメントありがとうございます。こちらの私情であるにも関わらず応援して頂きまして、本当にありがとうございます。これからも先生と主人公ちゃんをよろしくお願い致します( •̥-•̥ ) (2022年12月1日 9時) (
レス) @page40 id: 39a6e0a5de (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 憂さん、はじめまして せつと申します。人生最大ゴタゴタの中素敵なお話を紡いでくださりありがとうございます。スローでもよきよき♪待ってますので 憂さんのペースでどうぞ。いい子で次のお話待ってますね。 (2022年12月1日 9時) (レス) @page40 id: a88f73c135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂 | 作成日時：2022年11月4日 3時
