今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:2,251 hit
小｜中｜大
Chapter 4 ページ4
案内された部屋のベッドに寝かせると、手早く看病の準備に取りかかる。
「氷枕とか持って来させましょうか？」
「それもいるけど…震えが来てるから、まだ熱が上がると思う。氷枕は熱が上がりきってからじゃないと」
「了解っス」
「とりあえず、毛布とか掛け物をもう1枚。あと、スポーツドリンクとかありますか？」
「用意させるっス」
必要な物を頼むと、三弦は早速部屋を出て行った。
ぐったりとして苦しそうに肩で息をしているワーグナー…Aは彼の額の汗をタオルで拭った。
大人びてはいるが、やはりまだまだ子供。こんな小さな体で色々なモノを背負って、1人で頑張って…
今や世界をまたにかける彼は、音羽館に来た頃からは考えられないくらい手の届かない存在になっている。
何かに躍起になってるような、良くも悪くも他を寄せ付けない生き方… 自ら選んだ道とは言え、 寂しさと孤独感は計り知れない。彼の心情を思うと胸が軋んだ。
「ワー君…そんなに頑張らなくてもいいんだよ…」
Aはそう呟いて、汗で額に張り付いた絹の様な髪を優しく払った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神風 雪火 | 作成日時：2018年3月21日 14時
