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「…とまぁ、こんな感じです」
「なんか、蒸し返させてごめん」
赤葦さんは申し訳なさそうに笑った
いいんだ、いつか誰かに話さなくてはいけなかったことである
遅かれ早かれ、赤葦さんに話すことができてよかった
さすがに人生に終止符を打つのには早すぎた
けれど名残惜しい気がしないのが不思議で仕方ない
「赤葦さん、あのこれ兄の携帯の電話番号なんですが…」
「え?何で俺に…」
「ちょっと頼み事があるんです、その時にでも使ってください」
きっとお兄ちゃんがこのことを知るのはすぐかもしれないし何十年も後になるかもしれない
けれど、今誰かに伝えとかなければ自分の想いを伝えることが出来なくなる
「…出来そうだよ、今やってみたら出来たし」
「本当ですか?じゃあ、お願いしていいですか?」
ひとつの陽炎が滲んだ
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作者名:佳奈 | 作成日時:2015年10月12日 16時