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一瞬だった
「A…?」
車道の真ん中でボールを抱えていて
向こう側には小さな男の子がこちらを見ていてすぐにあの子のものだと分かった
確かに車は居なかったはずだ
Aもそれを確認したに違いない
なのに
なのに何故
物凄いスピードで車が迫っていて
クラクション音が鳴り響いて
「A…!!」
泣き叫ぶ男の子
目を見開くクラスメイト
遠くの方から聞こえてくるサイレン
全ての音がこだまして息が出来ない程の目眩が襲った
たぶんすぐに呼び戻せば良かったんだと思う
車が迫っていることに気付いていたのに俺は何も出来ないまま
Aによく似合っていた真っ白なブレザーは真っ赤に染まっていた
手を伸ばしたとき、Aは笑っていた
いつもみたいに、仕方がないなというように
春が終わりを告げるころ、A は桜の花弁と共に散った
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作者名:佳奈 | 作成日時:2015年10月12日 16時