21.悲しい報せ ページ23
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まだ昼前の明るい時間。荻本屋に出入りする小間物屋さんを部屋にあげて、新しい口紅を買い終わった時。
小間物屋さんが部屋を出ると、入れ替わるように楼主様が入ってきた。
「千早、入るよ」
「どうされましたか？」
楼主様は私に目線だけ送って、折りたたまれた紙を私に渡すと、部屋を出ていってしまった。
よく分からないままその紙を広げると、そこに書かれていたのは───母親と妹の死の報せだった。
鬼に襲われて、ふたりは死んでしまっていた。
私がなにも知らずに過ごしていた、どこかの日の夜に。
『A』
『お姉ちゃん！』
頭の中で、声が響く。
幼い妹の声。…もうそんなに小さくなかったね。炭治郎さんや玄弥さんたちと同じくらいの年になっていたはず。
大人になった姿を見て、大人になった声を聞きたかった。
生きていても、もう会えることはなかったかもしれないけど、ただどこかで笑ってくれていればいいって思ってた。
なのに、なのに…
───もう二度と、会えないんだ…
その事実は、拒むことなく私の頭に刻まれた。
ここで働く意味が分からなくなった。神様なんていない。
頭が痛い。胸が痛い。目が熱い。
泣いたってどうしようもないことは、子どもの頃からよく分かっているのに。
分かっているのに、涙はこぼれる。
お母さん、体は辛くなくなってたのかな
妹は、好きな男の子ができたりしてたのかな
どこでどんな暮らしをしていたのか、ごはんはちゃんと食べれていたのか、笑って過ごせていたのか、
冷たくなってしまった手を最後に握ることも、自分の手でお墓を建ててあげることもできない。
考えれば考えるほど、苦しくなって、息がしにくい。
まるで水の中で溺れているようだった。
上手く泳げなくて、苦しい。
誰か、たすけて───
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訃報のお手紙は隠が書き、鎹鴉が届けてくれました。
Aさんは娘で吉原にいると、母の日記に残されていたようです。
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玲羅(プロフ) - すごく面白いです！体調に気をつけて、更新頑張ってください！ (4月19日 11時) (
レス) id: cb3a3c8e5d (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - かるぱすさん» コメントありがとうございます＾＾そう言っていただけると本当に嬉しいです…！もう少しで完結予定なので、最後までよろしくお願いします♡ (4月3日 11時) (レス) id: 8beddeaf96 (このIDを非表示/違反報告)
かるぱす - 初コメ失礼します！この作品すごく面白いです！更新待ってます！ (3月31日 0時) (レス) @page22 id: 11d8e78453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：萌娜
| 作成日時：2024年2月29日 17時
