7話 ページ7
「何もしてないのに暖かいお湯が出るなんて……」
梅ちゃんはお風呂に感動しまくっていた。まあ昔の人は薪に火をつけてたと思うとね。
「しかもあのしゃんぷーっていうのがすっごくいい匂いだった!」
「俺はなれねぇけどなぁ」
妓夫太郎くんは綺麗にする、という行為自体に慣れないらしく、お風呂に入るのにも躊躇していた。ドライヤーにもびっくりしていたが、風に吹かれながらうとうとする2人は可愛かった。
「お風呂って毎日入れるんでしょ!」
「基本的には毎日はいるからね」
梅ちゃんの目は輝いていた。可愛い。
ただやはりアニメのキャラなんだな、と思ったのはドライヤーしてる時だった。
髪をまとめる為に首元に手がかかると2人とも凄い速さで距離をとって、顔を青くした。
驚いて固まってる私にごめんなさいと謝る姿はなんとも言えなかった。
「さて、私は買い物してくるから2人はお留守番してて」
「どこにいくの!?私も行きたい!」
梅ちゃんは好奇心が強いのか、ついて行く!と私にくっつく。
「それはまた今度ね、さすがに私の服のままは外に出られないから」
「そんなの気にしなくていいじゃない!どんな格好でも周りは何も言わなかったし」
現代でそんな格好した子供連れ回したらもれなく捕まってしまう。そうはいっても理解はしないだろう。なんと言えばいいのか悩む。
「梅」
妓夫太郎くんがそういうと、梅ちゃんの動きが止まる。
「今度連れてってくれるっていってるだろぉ。あんまワガママいってると捨てられちまうぞ」
その目は暗かった。なるほど。完全に信用した訳ではなく、何も分からないうちは利用しようと言う魂胆か。見た目は子供なのに賢いなぁ。
「捨てる気はないけどね、梅ちゃん達の時代よりいろいろ厳しくてね。すぐ帰ってくるし、梅ちゃんたちの服が届いたら出かけよ」
梅ちゃんは渋々といった様子で頷いた。
荷物をもって、外にでて玄関の鍵を閉める。
夜ご飯はハンバーグにしよう、と決めて買い物に向かう。
子供に受けそうなお菓子と子供用の歯ブラシと歯磨き粉。
子供用のコップと食器とスプーンとフォーク。
100均で揃えれるものは大体そろえていく。
ベッドはしばらくあの2人に使ってもらおう。
生憎床でも寝れる気温ではあるし。
思ったより多くなった荷物を抱えて家に向かった。
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作者名:めろん | 作成日時:2024年3月19日 3時