*はじめての 3【煉獄杏寿郎】

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自己嫌悪に押し潰されそうになりながら蝶屋敷に向かう。

やけに身体が軽いと思ったら
刀を忘れてきてしまった。

戻るか、明日にするか、

.........どうしよう。







ドンッと身体に衝撃が走った。

誰かにぶつかってしまったらしい。





「いてぇなぁ」

咄嗟に顔をあげると柄の悪い大人三人が私を囲むように立っていた。

微かにお酒の匂いがする。

「すみません」

「てめぇのその格好は鬼殺隊か？こんな女でも入れるとはずいぶん鬼殺隊も落ちぶれたものだな」



「.......その手を離してもらえませんか？」

「あ？」

「前を見ていなかった私が悪かったです。すみませんでした」

「それで謝っているつもりか」


勢いよく胸ぐらを掴まれる。


「.....ッ」


油断して右頬を殴られてしまったが
所詮は酔っ払い。


数秒で決着がついた。






呼吸を整えて再び歩き出す。

私は一体何してるんだ...

煉獄さんは普段まったく怒らないから
余計に落ち込んでしまう。

やっぱり謝りに行った方が......




「おい、そこの餓鬼、止まれ」

さっきの人達がまた私の前に現れた。


しつこいな....


案の定飛びかかってきたので
今度は気絶するくらいの強さで首の後ろをついた。


「すみませんが今酔っ払いの相手をしている余裕なんてないのです！！！」









「おい、A！！
こいつらを一人でやったのか？

なかなか派手にやるじゃねぇか！

こりゃおもしれえ！気に入ったぞ！」

「......っ、」

目の奥が熱くなり咄嗟に視線を逸らすと
宇髄さんが私の顔を覗きこんできた。

なんでいつもこういうタイミングで会ってしまうんだ。

一回目は泣いている姿を見られ、二回目は鍛錬が思うように行かなくて落ち込んでいた時にばったり遭遇し、そして今回。


「.....お、おいおい
泣くほどあいつらが怖かったのか？」


なわけないと思いながら首を横にふった。





「じゃあなんで泣いてんだ、煉獄と何かあったか」

「......いえ、....っ、.....失礼、します」




「待て、A」


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