１３日目 天使と真夜中 ページ14
『こっそりね…こっそり。』
ドキドキ大脱走
――――――
とある金曜日の夜。いつも通り寮の見回りを終えた相澤先生は珍しく天塚とリビングで駄弁る事無く教師寮へと戻って行った。天塚は一体何をしているかと言うと、こっそりベランダから寮を抜け出そうとしている最中だ。
『翼使わなくても飛べる個性で良かった〜。』
正確に言えば飛ぶというよりかは浮遊と言った方が正しい。天塚は翼を控えめにパタパタさせて、先日相澤先生に教えてもらった部屋のベランダまでこっそりと飛んでいく。
そうして暫く飛んでいるうちに見つけたのは片方のカーテンだけが閉まっている部屋、他の部屋と間違わないようにと先生が目印にさせておいたらしい。目的地に着いた天塚は緊張からかなかなか部屋に足を踏み入れる気になれなかった。
勇気を振り絞ってベランダの窓を開けようと手をかけようとするとその窓は一人でに開き、驚いてしまい思わず手を引っ込めてしまった。
「…何してんだ、入れ。」
『は、は〜い。』
ひょこっと顔を出したのは恋人である相澤先生で、部屋に入ろうとしない天塚を見てはどこか呆れたような表情を浮かべ、部屋に入る様に促した。
自分の部屋とは少し違うレイアウトに、至ってシンプルな内装。自分のクラスの個性的な部屋達を見た天塚にとっては少し新鮮に感じた。
「天塚、何か飲むか？」
『えっと、大丈夫です！』
天塚が断れば「そうか。」と言って自分用のコーヒーを準備する相澤先生。どこに座ろうかと天塚がキョロキョロしていると「ベッドにでも腰かけろ。」と先生が言ってくれた。
『(…まじで先生と付き合ってるんだ、俺。)』
実を言うと今日で付き合って１カ月経った。毎日の授業が忙しすぎてカレンダーを見るまで全く気付かなかったが、確かに今日で１カ月らしい。
しかしお互いに忙しい為、こうして寮を抜け出して教師寮に忍び込み、先生と長い時間を共にするのは初めてだった。周りにバレてはいけないし、恋人らしい事は何一つ出来ていない。
見回りの後に話すときもクラスメートに目撃されたら危ない、とただ軽くお喋りするだけだったし、手すら繋いだこともない。もちろんキスなんてもってのほかだ。
『(そう言えば、名前で呼んでもらった事無いなあ…。)』
少しだけ落ち込んだ天塚だったが、コーヒーの香りと共に戻ってきた相澤先生を見ては、やっぱり俺って幸せだわ、と内心のろけまくっていた。
――――――
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林(プロフ) - ユキヒメさん» コメントありがとうございます！完結済みなのに嬉しい；；相澤先生好きすぎて、書く作品ほとんど先生とくっついてます、、偏り、、 (2021年8月29日 23時) (
レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 椿さん» かわいい自慢の夢主くんです！ありがとうございます、、！（コメント気づかなくてすみません；；） (2021年8月29日 23時) (レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - うちの推しオチだったーーー！！やったーーー！！！夢主くん可愛い！可愛すぎて心配ね、、、ナンパとか、まあ相澤先生がなんとかしてくれる！ (2021年8月25日 21時) (レス) id: 6b0d7c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 夢主くんかわいい…応援してます…!! (2019年10月8日 17時) (レス) id: 33631e1d2f (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 夜剣さん» うわああ嬉しいコメントありがとうございます…！更新頻度遅くて申し訳ないですが、これからも宜しくお願いします！ (2019年2月13日 0時) (レス) id: 14631dcafc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年11月10日 23時
