１４日目 天使と真夜中 続 ページ15
『名前で呼んでほしいなあ…なんて。』
空白の１カ月を埋めてと天使はせがむ
――――――
ベッドの傍にある小さめの棚にマグカップをコトリと置いて、相澤先生は天塚の隣に腰を下ろした。恋人同士なのに、付き合って１カ月も経つのに、２人はどこかぎこちない雰囲気の中に包まれている。
『(…何したらいいの？)』
相澤先生はこう言う雰囲気に慣れているのか知らないが、天塚にとって誰かと恋愛的なお付き合いをするのは先生が初めてだった。前身はカチコチになり、いつもなら出てくる話題も今では全く出てこない。
「…緊張するか？」
『へ！？』
いきなり腕を軽く掴まれ落ち着いた声で尋ねられた。予想外の事に驚いてしまい、天塚はおもわず声が裏返ってしまう。答えなんて聞くまでもなく先生は天塚が緊張している事を理解し、固まっている身体を優しく包み込む。
次第に緊張もほぐれ、天塚は頭をコテンと先生の肩に乗せてゆっくり口を開いた。
『ねえ先生、お願いが有るんだけど…。』
「ん、何だ？」
口を開いたはいいものの、中々本題に入ろうとしない天塚を見て先生はウブだなあと少し笑った。
『ちょっと、笑わないでよ…何か言いたく無くなっちゃった…。』
「すまんすまん…で、お願いが有るんだろ？」
口を尖らせて不機嫌になる天塚に謝りお願いを聞こうとする先生。今までこれほど穏やかな表情をしていた時があっただろうか。
『俺の事、名前で呼んでほしいなあ…なんて。』
チラリと相澤先生の目を一瞬だけ見てそう言った天塚を見て、先生の理性は思わずおかしくなりそうだった。天使ってズルすぎだろ、と心の中で幸せを噛みしめている。
「下の名前で呼んでほしいのか？」
『…う、うん。だって何か、１カ月も経ったのに何も変わってないような気がして。』
「(子供か…まあそんな所がまた良いんだけど。)」
ポツリポツリと話し始める天塚の顔は熟れた林檎のように紅く、元々が白い肌なのでなおさら紅いのが目立つ。
「…A、こっち向け。」
『〜っ、はい。』
両手をギュッと掴まれ、ついでに名前で呼ばれる。初めての事ばっかりで天塚はもう満足な様子で、もうダウンしそうだった。
「１カ月間何もできなくてごめんな。でもAの事は大事に思ってるし、誰よりも好きだよ。」
『…おっ、俺も…俺も先生の事好き！』
雰囲気に流されるように返した天塚。それと同時に唇に触れた感触で埋められた空白の１カ月。
――――――
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林(プロフ) - ユキヒメさん» コメントありがとうございます！完結済みなのに嬉しい；；相澤先生好きすぎて、書く作品ほとんど先生とくっついてます、、偏り、、 (2021年8月29日 23時) (
レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 椿さん» かわいい自慢の夢主くんです！ありがとうございます、、！（コメント気づかなくてすみません；；） (2021年8月29日 23時) (レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - うちの推しオチだったーーー！！やったーーー！！！夢主くん可愛い！可愛すぎて心配ね、、、ナンパとか、まあ相澤先生がなんとかしてくれる！ (2021年8月25日 21時) (レス) id: 6b0d7c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 夢主くんかわいい…応援してます…!! (2019年10月8日 17時) (レス) id: 33631e1d2f (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 夜剣さん» うわああ嬉しいコメントありがとうございます…！更新頻度遅くて申し訳ないですが、これからも宜しくお願いします！ (2019年2月13日 0時) (レス) id: 14631dcafc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年11月10日 23時
