第五話 ページ5
「でも 私は見学なんてしないよ。群れる奴に興味ないし」
「そうなの?」
中嶋さんは驚いた表情で私を見る。
「うん
兄さんは部活だけどね。私は頑張ったり努力したりするのは好き
でも意味もなく群れるのは嫌いなんだよ、私は」
「…私も群れるのはあまり好きじゃないわ
何が楽しいのかしら…本当 理解出来ないわ」
「もしかしてそれが中嶋さんの本性?」
さっきと中嶋さんの雰囲気と違っていた。
「…聖華さんは面白いのね」
クスリと中嶋さんは笑った。
「多分 それは兄さんの影響
後、母と父の
うちの家族って変わり者ばかりだから周りとは違うんだよ
中でも兄さんが一番の変わり者かな」
「聖華さんの家庭も面白いのね。私の家庭は 皆学力しか求めていないもの」
「“勉強は出来なくても、正しいこと悪いことを理解出来ればそれでいい”が母と父の言葉
でも 勉強出来なかったら高校に入れなかったよね」
「確かにそうね。
……ねぇ 聖華さん」
「?」
「聖華さんの後ろに黒い笑みをしている男性がいるわよ」
「…」
中嶋さんのその言葉を聞いて無言で後ろを振り向く
「に、兄さん…」
後ろには兄さんがいました
「聖華の方が俺より変わり者だろ!?」
「…」
ガシッと私は中嶋さんの腕を優しく掴む
「聖華さん?」
「兄さんから逃げるよ」
私は本当は走ってはならない廊下を走った。
「廊下は、走っては…!」
「わかってる!でも 兄さん怒ると怖いから今は逃げないと」
「…わかったわ…でも…後でお説教よ」
今 中嶋さんが怖かった。
「こらぁ!聖華!」
後ろから兄さんが追い掛けて来る
「聖華さん、教室に入るわよ!」
「え、う、うん!」
私と中嶋さんは教室に逃げ込む
教室に入った後、チャイムが鳴り響いた
「…これは授業開始五分前になるチャイムだけどこれを聞いたら皆 教室に戻るの
だからこれで今は大丈夫なはずよ」
「な、なるほど…」
「まだ案内は残っているからまた授業後に案内するわ
今は次の授業の準備をするわよ」
「OK.」
帰ったら兄さんに怒られるかもなぁ…
怒られるのを覚悟するか…。
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作者名:未宇 | 作成日時:2014年2月19日 14時