うさぎ。【菊地原士郎】

おしまい ページ21

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ずっとトロい私の一歩前を
歩いてくれた。
物を落としたら 止まってくれて
いじめられたら助けてくれた。



私のファーストキスは

そんな人から 贈られた。



「退院おめでとう。」

「おかえり。」「おかえりAっ！」

『………ただいまです。』

オペレーター室には小さな
ケーキが用意してあった。
板チョコレートには
” A おかえり ” の文字。


「ちょっと風間さん。大袈裟じゃないですかー？」

Aを迎えに行って連れてきた
菊地原は ブーブーといつものように文句。


「任務続きでAの入隊祝いをしてなかったからな。」

取り分けられたケーキを
既に食べ始めている風間。

『おいしいです。』

「よかったー。私が選んだの！」

『三上さんありがとうございます。』

「いえいえ。」


「食べ過ぎて太らないでよー」

『……………うん。』

「痩せてるから大丈夫だよな」

「いっぱい食べて大きくなれA」

「甘やかさないでください風間さん。」

『はい、菊地原くん。』

菊地原の目の前に出されたケーキ

「自分で食べれるし」

「なら俺が貰おうか？」

「っ風間さんは自分の食べて下さい」


結局、パクッと食べた菊地原であった。



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おしまい。

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