My precious one.

#18 ページ18

〆







廉「…またここ来たら会える？」


『んー、どうだろうね。』







そう答えると、余計に強く抱きしめられるから息が苦しい。


それにこの話題も気持ち的に苦しかった。








廉「この村にはおるんやろ？」



『…それもわかんない。』




廉「なんで？」





『私そろそろ誰かに嫁がなきゃいけないの。



だから、ここに残ってるかもしれないし、

もしかしたらもっともっと遠くにいるかもしれない。』








自傷気味に、ははっ、と軽く笑うと、


私を強く締め付けてた腕の力がスルスルと抜けた。









廉「もう決めてるん…？誰と結婚する、とか。」








ポツリと吐き出されたその言葉に、

首を横に振る。








『まだ。何も決められてない。

それで悩んで、ここに来たら廉くんがいたの。』








廉くんのこと考えてたら、本人が目の前にいるんだもん。びっくりしちゃった。






不意に、私にかけられてた体重が軽くなって、

私の目の前に、真剣な廉くんの顔が見えるようになった。









廉「いまから言うのはさ、

王子としての命令とかじゃないから。





王子だから。とかじゃなくてさ、俺からの言葉として受け取って。




別に受けるのも、拒否るのも、Aちゃんの自由。









俺んとこ来て。



他の男のところじゃなくて、俺にしてや。」









・









ずっと隣にいてくれた幼馴染



これからずっと隣にいてほしいと言う王子様









あなたはどちらを選びますか？





┌ ▷【幼馴染】←
│
└ ▷【王子様】






〆

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