凛月くんの優しさ ページ7
凛月side
やっと追いついた…
校門近くにとぼとぼと歩いている
君を見つけて
手を引き、声をかけた
朔間｢ねぇ…！
っ…！｣
驚いて振り返った君の頬には
涙か伝っていた
驚いた顔から一転
寂しそうな
今にも消えそうな顔をする君
せっちゃんが追いかけてきたのかと思ったのかな
朔間｢ねぇ…｣
貴方side
凛月くんの額には汗が少し光っている
走ってきてくれたのかな…
少し申し訳なく思いながらも
泉くんだったら良かったのに…
そう思ってしまう自分がいた
そうだった
私は泉くんの特別でもなんでもない
"ただの幼なじみ"
いつも近くにいすぎてわかんなくなっていた
朔間｢ねぇ…｣
私は凛月くんに手を掴まれたまま
何も言えずに突っ立っていた
すると、凛月くんは私の腕を引き歩き始めた
貴方｢え…｣
朔間｢帰るんでしょ？
今日は一緒に帰ろう？｣
これは彼なりの優しさなんだろう
何も聞かず
何も言わず
泣いてることにも気づいたはずなのに
いつも眠そうに怠そうにしている彼が
今日は、今は、暖かく感じた
朔間｢家、ここ…だよね？｣
貴方｢うん…｣
朔間｢じゃ、俺はここで
また明日ね｣
貴方｢待って！
ありがとう。｣
朔間｢はいはい。｣
そう言って
私の頭を軽く撫でて
欠伸をしながら
怠そうに帰っていった
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作者名：きつね | 作成日時：2020年8月27日 0時
