prologue ページ2
- Yuki side -
「きちんと予習をしてくること。では、皆さん、また明日。」
この春、私たちは高校生になった。
ぴかぴかの一年生と言うけれど、高校生は、もうほぼ輝きを失っている。
中学卒業して、高校に上がるというのは、相当ストレスだ。
新しいリボン。
「じゃ、私、先に帰るねー」
少し短くなったスカート。
「うん、また明日!」
まだ見慣れない教室。
「バイバイー!」
新しい校舎と靴箱。
「お、やっと来た。」
「ごめん、湊、待った?」
新しい彼氏。
「ううん、大丈夫だよ。さ、帰ろ。」
真新しい高校生活には、まだまだ慣れない。
「うん。」
でも、新しい彼氏は、慣れそうにない。
別に、湊だからとか、そういうことじゃなくて。
「今日は学校、どうだった?」
年上、恐ろしく肉食系、イケメン、プレイボーイ。
「大変だったよ。」
同級生、恐ろしく草食系、かっこいい、恋愛経験ほぼなし。
「そうだよね。」
そんな元カレと比べれば
『雲泥の差』という表現が一番最適ってくらい。
「うん、疲れた。」
こういう関係って、小説とかでしかありえないと思ってた。
「じゃあ、俺が癒してあげる。」
そういって、ぎゅっと抱きしめてくれたり。
「ありがと。」
さりげなく手をつないできたり。
方向一緒だから、っていって、毎日家まで送ってくれたり。
「これが俺の仕事だからね。」
正直、こういう彼氏は憧れだった。
でも、やっぱり何かが違う気がして。
「なにそれー」
心の穴は、ぽっかりと開いたまま。
あーあ、これが夕だったらな、って思ってしまう。
なにをされても。
『会いたい。』
そう思う気持ちは、二か月たっても変わらなくて。
それどころか、強くなるばかり。
「ねね、湊。」
「ん?」
「彼女、何人目?」
「知らなーい。でも、いままでで雪が一番好き。」
湊、なんで素直にそんなことが言えるの?
夕が、言ってくれなかった言葉を。
どうしてそんなに簡単に口にするの?
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黒木玲奈(プロフ) - 橘綾さん» ありがとー! これからどんどん面白くしてくからねーw (2018年9月27日 20時) (レス) id: 8e74367c43 (このIDを非表示/違反報告)
橘綾(プロフ) - やっぱり面白いーw更新頑張ってー楽しみにしてます! (2018年9月26日 17時) (レス) id: f590945ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 玲奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時:2018年7月25日 12時