君の嘘は私の幸せ

graduation..... ページ49

- Yuu side -







「みんな、走っています！さあ、紙を引いてください！何が出るかあ？？」



「タオルううう！タオル持ってるやついねー？」




「韓国語話せる人なんかいたっけーー？うちの学年。」





『人生を変えてくれた人』。。。。。？




正直、彩しか浮かばなかった。




いじめられたとき、ずっと支えてくれた人。




青春全部かけた。。。。つもり、だった人。





「あれれ？榛名夕！戸惑っている？さては、『好きな人』を引いたのかあ？！」





「ちげーーし！」



そう叫んだ俺の声は、風にのってどこかへ行ってしまった。





さすがにこの状況で、彩のとこには行けない。





「ほかの三人はすでにゴールしている！さあ、どうするか、榛名夕！」





でも、本当に他に思いつかなかった。






「彩を連れっててほしくないな、あんまり。」



彩に腕を回して、優しくそういった翼は、逆に恐ろしかった。



「好きな人じゃないよ？」



「え、じゃあ、なに？」




紙を見せると



「そうだったんだ、彩、夕の人生変えたんだ。」


ビックリしたようにそう言った。



相当予想外だったそう。





そのあとは、胸をはって、彩をつれてゴールした。





今はもう第二弾。




第一弾で『好きな人』、引いたの、貴斗で、めっちゃ面白かったな。




叶を連れて走ってた時は、すごい歓声が上がった。




すごい度胸、あいつ。




告白みたいなもんだよ。





いよいよ来た二回目。




「中学最後の思い出として！笑いながら走っています！」








紙を見た瞬間、ああ、これは雪だな、って思った。





いろんな意味で。




なんとなく、一番最初に浮かんできたのが雪だったから。





「え、なに？」



え、俺、今日ビックリされすぎじゃね？



そんな予想外なことしてる？




でも、彩の次に雪とか、さすがにつらいな。




観客からの視線が。






ゴールにたどり着いたとき、雪が後ろにいることを確認するように、振り返った。




うん、ちゃんといる。









『卒業しても、きっと絶対に忘れない人』

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