君の嘘は私の幸せ

＊ ページ12

- Yuu side -

「じゃ、決定ね。日曜日の朝９時集合でね。」

思わず足を止め、息を殺し、耳を澄ました。

「うん、分かった。またね！」

「バイバイ。」

「あ、あの、翼！」

「うん？」

「頑張ろうね。」

「あはは、そうだね。頑張ろ。じゃあね。」

翼の頬がほんのり赤くなったように見えたは気のせいだろうか。

やばい！来る。

「バイバーイ」

彩。。。

お前はそんなにも嬉しそうに笑うんだな。

お前が笑うのを見ると、鼓動が速まって、すっげー幸せな気分になるんだ。

でも、同時に悔しくて、悲しくて。

お前が笑う隣には、俺じゃなくて、あいつがいるんだ。





「あら、夕、お帰り。学校どうだった？」

「別に？いつも通り。」

二階に上がっていこうと思ったとき。

ーピンポーンー

「夕、今、手が空いてないの。出てくれない？」

めんどくさ。

それにしても、この時間、誰だろ。

宅配便。。。？

「はーい。」

そう言ってドアを開けると。

「あ、夕！」

ひまわりのような笑顔を見せる君が立っていたのだった。

「あの、お母さん、いらっしゃる？」

呆然として、立ち尽くしてしまった。

「あ、あの。。。」

「あらー、彩ちゃん！久しぶりじゃない！上がって上がって！」

「ありがとうございます！」

玄関が、彩の優しい香りに包まれたのだった。

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