66話 ページ18
…
淳太「お前は、お兄ちゃんが嫌いなんか。」
体育祭前日。
ソファーに寝転がっていた私に、淳太が唐突にそう言った。
「え?」
淳太が呆れたように指差してるのは…私がここ1週間作り続けているてるてる坊主で。
淳太「こんなに逆さに吊るして……どんだけ雨降らす気やねん。」
たしかに、窓際に吊るされたてるてる坊主は全部逆さになっている。
…だって、これしか方法が思いつかなかったんやもん。
明日、体育祭が来ないようにするための。
淳太「高校生活最後の体育祭やねんから晴れで終わらせてや。俺が楽しみにしてるの知っとるやろ?」
困ったようにソファーの下に座って私と目線を合わせる淳太。
知ってるよ、そんなの。
最後の体育祭、団長になった黄団で優勝したいんやろ?
…けど。
淳太「なんや、体育祭嫌なんか?なんかあった?」
心配そうな目をして、私の頭を優しく撫でる。
淳太「崇裕に聞いたけど、ボードもめっちゃスゴイのができたみたいやん。」
ボードは、昨日完成した。
青団の子みんなで協力して設置もした。
色んな人に、すごいね、ありがとうってお礼を言われた。
だけど、私は純粋に明日の体育祭を楽しむことができないんだよ。
なぁ、淳太
どうすればええん?
「…ちょっと、淳太のことからかってみただけやって。」
窓際に逆さに吊るされたてるてる坊主を、元に戻す。
ちゃんと明るく言ってみたはずなのに
淳太「A、ほんまに何かあったんなら…」
やっぱり、淳太にはお見通しか。
「明日、泣くかもしれへん。」
淳太「え?」
「そしたら淳太、ぎゅーって抱きしめてくれる?」
淳太「…おん、ええよ。」
なんにも聞かないで
ただ、私の言ったことに“ええよ”って言ってくれる。
淳太はほんとに、最高のお兄ちゃんだよ。
…
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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年9月27日 0時