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「別れてください」
揺れる肩から頭を起こしたら、さっきまで撫でいてくれた手が宙をさまよっている。
頼りない手とは違い、Aちゃんは真っ直ぐ俺の目を見て残酷なことを言うんだ。
「私ね、婚約することにした」
「………は？」
もう言葉すら出ない。
これまでの事はなんだったんだよ？
慣れない恋の駆け引きにヒヤヒヤしながらも、喧嘩だってしたりしても、それでも少しずつ恋人らしくなっていったじゃん。
ああそうか、期間限定とか言ってたことを怒ってるとか？
ならそれ実はねってネタばらしすっから、
「大ちゃん言ったじゃん。この関係は期間限定って。大ちゃんがデビューするか、｣
｢いや待って……俺、まだデビューしてな、｣
ちゃんと話聞いてよ？
｢でも決まったよね？ それにもう一つ、私に結婚相手が見つかったらって｣
｢………………｣
なにそれ。結婚相手見つかったってことかよ。
いつの間に？
ほとんど毎日俺と連絡取って、会える日は会ってたのに、どこにそんな時間があった？だよ。
信じられないものを見るような俺の顔を見て、Aちゃんはちょっとだけ悲しそうに笑ってて、何がなんだから全く分からない。
キッチンへ向かったAちゃんは、わざとらしくコップに並々にそそいだお茶を持ってきた。
気まずさに視線を逸らす。
｢……俺、お茶飲めない｣
｢私、お茶好きなのよ｣
｢…………｣
｢私、結婚するなら年上で安定した人が良いの｣
｢………｣
｢これからデビューする大ちゃんじゃ、私まだまだ落ち着けないよね？｣
｢………｣
｢私もうすぐ２９歳になるから、そろそろ本当に結婚も子供のことも考えたくてさ｣
｢………｣
｢大ちゃん？｣
｢……俺のこと、好きじゃねぇの？｣
歳とか、結婚とか、そんなの今はどうだっていいから肝心なことを話してほしかった。
俺への気持ちは1ミリもねぇのかって？
これまで過ごした７ヶ月は、ほんとに結婚相手をみつける間の繋ぎだったの？
だったら、最悪じゃん。
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☆ゆきんこ☆(プロフ) - 詩乃さん» ありがとうございます！駅のシーン予想当たりましたか？やっぱり好きな人と別れるのは名残惜しいので彼は待たない事を選びました。4章でも切なさ続くかもしれませんが、よろしくお願いします(^^) (2020年8月20日 9時) (
レス) id: 7487347ac7 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - まのかさん» ありがとうございます！やっと彼sideも終えて本編に戻れますので、4章もよろしくお願いします(^^) (2020年8月20日 9時) (レス) id: 7487347ac7 (このIDを非表示/違反報告)
詩乃(プロフ) - またまたのめり込んで拝読しました！あぁ〜、やっぱり駅でお別れしてすぐ帰っちゃったのはそういうことだったのね！（ ; ; ）と私の中で大ちゃんへの共感の嵐が止まりませんでした。切ない…でもキュンとします。引き続き応援しています！！ (2020年8月20日 2時) (レス) id: e6f055e37f (このIDを非表示/違反報告)
まのか(プロフ) - 大ちゃんｓｉｄｅ完結おめでとうございます ＆ ありがとうございます！ どっちも読めて本当にうれしいｗｗｗ 4章も楽しみにしてます＾＾ (2020年8月19日 20時) (レス) id: 496b8676bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年8月8日 9時
