[1]小瀧望、無期限の芸能活動休止します (ページ39)

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俺は、Aさんの肩をポンポンと叩いた。

振り向いたAさんに、神社の方を指差して、手を合わせる。

“さ、ん、ぱ、い”

口を大きく動かすと、「参拝？」

通じた。

　

　

「…そうだね。」

　

Aさんは立ち上がり、神社に向かう。

俺も後に続いて参拝。

　

　

流石に神様に向かってサングラスはあかんかなと思い、

周りに誰もいないことを確認してからサングラスを外す。

　

　

……何をお願いしよう。

　

メンバーの顔が急に頭に浮かぶ。

　

2日会ってないことなんて最近はいくらでもあったはずやのに。

　

　

もう懐かしいと思っている自分がいる。

俺の場所はだんだん小さくなっているはずや。

ジャニーズWESTとしても、芸能界の小瀧望としても。

　

いつかみんな、俺のことなんて忘れていくはず。

　

自分で選んだ道やのに、なぜかそれが悔しかった。

　

　

何が正解やった？なあ、神様。教えてや。

　

　

　

「……ずいぶん長いお願いね。」

　

　

その声で俺は慌てて目を開けて、一礼。

　

サングラスをかけて周りを見ると、ちらほら人が現れはじめた。