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橋の下は、私たちの花火で白く煙っている。
この煙に巻かれて
大毅の手を引き
抜け駆けできたらいいななんて
毎年思うけど。
どんな顔でなんて言えばいいかわからないまま
手持ち花火の本数もだんだんなくなっていく。
濱田「よっしゃ。線香花火の時間やな。」
最年長の濱ちゃんの一声でみんな線香花火を持ち始める。
重岡「A。反対やで。」
「え？あ」
線香花火を反対に持っていたことを指摘されて、少し恥ずかしい。
大毅は、変わらずおっちょこちょいやななんて私の頭をポンと叩く。
もう、その行動だけで
頭が熱くなる。
みんなでろうそくに花火を集中させる。
この線香花火、私が一番最後まで残ったら
今年こそ、大毅に告白しよう。
毎年こんなルールを自分の中で決めて
最後まで残らずに終わっている。
自分が勇気がなくてヘタレなんじゃなくて
線香花火を理由にして、いつも大毅に告白できずに、東京に戻ってしまう。
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作者名：きい
| 作成日時：2021年7月5日 21時
