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風見との電話から2日が経ったが、未だに報告の電話はない。
けれどここ数日、疑心暗鬼になっていた降谷の心中はどこか軽く晴れやかなものになっていた。
(俺の推測が正しければ、Aはきっと…)
この日も降谷は、安室透としてポアロに居た。
フリーターよろしくここ最近はずっとポアロでバイトをしている気がするが、普段突然シフトに穴を開ける自分に何も言わずにいてくれるマスターや梓へのせめてもの償いだ。
それにここ最近は、組織の動きも静かだ。
「何だか安室さん、機嫌良さそうですね。何かいい事でもあったんですか?」
「そうですか?そんな事はないかと思うんですが…」
「安室の兄ちゃん、もしかして彼女でも出来たの?」
「…コナン君、直球だね。」
今日もポアロには、小さな名探偵がカウンターに座っていた。
だが夕飯時であるこの時間にコナンがいる事は珍しい。
聞けば蘭は空手の大会が近く、部活が終わるのも遅いらしい。
驚く程頭のよく切れるこの小さな名探偵が、実はコーヒーが好きな事を安室は知っている。
けれど今日は梓も居る手前、お子様よろしくストローでオレンジジュースを啜っている姿はどこから見ても普通の小学一年生で、少し笑えた。
「…で?どうなの、安室さん。」
「さぁ、どうだろう。
推理してみたら良いんじゃないかな?」
安室は意地悪く笑った。
コナンは(どう見ても機嫌良いんじゃねぇかよ…)と心の中でごちる。
「えええ…ボク子供だからよくわかんな〜い…」
「一昨日見た月が綺麗だったなって思い出しただけさ」
「一昨日の晩は曇りだったよ」
「君は本当に可愛くないね、コナン君」
いつもと何も変わらないはずだった。
梓にも分かるほど安室はご機嫌で、和やかな空気が漂う喫茶ポアロは、この後1人の男の来店で、全く違う空間に変わる。
時計は18:30を回ろうとしていた。
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虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 色々やってる内に1日が終わってしまうので書き直しの目処は立ちませんが出来たら直そうと思ってます。いつも本当にありがとうございます!これからもよろしくお願い致します★ (2018年4月26日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» 変なご心配おかけしてすみません!動きを文にするのは想像以上の難しさでした…「男を倒した」で済むのに勝手に拘ってうまく書けず自滅とはお恥ずかしい…精進します(笑)登場人物が多いと散らかるという事にも気づきました。 (2018年4月26日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。虎鉄さん、大丈夫ですか?書き直す元気も時間もないとのことでしたが。書き直すのは余裕があるときで大丈夫だと思います(^^)もし書き直した時には教えていただけると助かります。読み直しますので(^^)dどうか無理はなさらないように(^ー^) (2018年4月26日 14時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - ぴよこさん» ぴよこ様へ。自分の文章が、ここの世代の主流とは逆行している気がして、合わせようとしたけど無理でした笑。心強いお言葉、本当に嬉しいですし、自分だけじゃないと心底安心しました。自分らしく続きを綴ろうと思います。続きを楽しみにして頂けたら嬉しいです。 (2018年4月25日 11時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - こんにちは。コメントさせていただきます。何だか小説を読んでいるような、どんどん引き込まれるような感覚で読ませていただいてます。ここの利用者年齢が低めだということを気にされているようですが、大丈夫です!私は低くありません(笑)これからも楽しみにしてます! (2018年4月25日 8時) (レス) id: 3760492a40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年4月18日 2時