【歌い手】男遊邸の護衛さんは【番外編】にも出るようです。 (ページ7)

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▼2つの紫陽花ページ7

『にゃ、なんだよ……』

「ぷっ…噛んどるし(笑)」

うるせぇと返すとこちらもボクの頬を撫で拭った。

「んな慌てて食うから付くんやで？」

『っ！！』

チュッと頬で音がした

「あ、志麻くんずるーい」

『えっちょっ！？』

困惑する暇なく、今度はそらるに頬を持たれ志麻とは反対の頬に口付けされる。

……口…付け……

『なっなにっしてぇっ！？』

2人から距離を取るために立ち上がる。

もう年末、師走の夜だと言うのに頬が暑い

「ふはっ……かーわいっ」

「ごめんごめん、ついね？」

愛おしそうにこちらを見つめる瞳に目を合わす事が出来なくて上を見る。

月は皆が鳥居下に集まる時間を示していた。

『ほ、ほらっ！もう時間だし行こう！』

「ほんまや、残念」

「じゃあ、行こうか」

2人は来た時と同じようにボクの手を握って歩き出す。

頬に集まっていた熱は

周りの熱気に溶けていった。

「あ！Aー！！！」

「そろそろお参り行くぞ〜！」

鳥居に着くと既にボク達以外全員揃っていた。

『うん！行こう！』

そらると志麻は手の力を緩める

それに従ってボクは手を2人から離れさせてみんなの輪に入った。

「やっぱり人多いな」

『だね……』

「うーん……みんな居ないねぇ」

あの後出発してお参りのために並んでいたのだが

人があちこちから割り込んできたり押してきたりではぐれてしまった。

幸い、うらたと歌詞さんは一緒に居るが……

『全員で一緒に御参りするのは叶わなかったな……』

少しだけ寂しい

「まぁ、同じ場所で同じような時間に御参りすんだし、順番違うだけでそんな変わらねぇだろ？」

「そうそう、ほら、落ち込まないで？」

『あっうん！ありがと

気を使わせるつもりは無かったんだけど……』

2人はボクの肩に密着した状態で励ましてくれた。