47話【とある吟遊詩人の感想】 ページ48
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モンド、エンジェルズシェアに美しいライアーの音色が響く。
ライアーを爪弾く吟遊詩人、ウェンティはライアーの弦から一度手を離すとカウンター席に座りバーテンダーに酒を注文する。
「あれ?今夜は君なんだね、ディルック」
「そういう君はそろそろ酒を控えた方がいいんじゃないか?」
エンジェルズシェアのオーナーであるディルック・ラグヴィンドはそう言いながらウェンティに注文された酒を置く。
ウェンティが美味しそうに酒を飲み木造のジョッキを置こうとすると彼の指に木の破片が刺さる。
「あいたっ、う〜破片で指切っちゃった…血も出てる…ツイてないなぁ…」
「……よければこの軟膏を使うか?」
「え!?いいの?ディルックてばやっさしー!!」
ウェンティはディルックから手渡された軟膏の器を手に取り見ると目を丸くした。
「……ねぇ、ディルック。
この軟膏、どこで手に入れたの?」
「突然だな。………数年前旅をしていた時にとある少女から貰ったものだ」
「その子ってどんな感じだった?髪は白い?毛先が紫だった?目は?桃色?」
突然のウェンティの質問にディルックは動揺しつつも「そうだ」と答える。
話によると数年前ディルックが旅をしアビスとの戦いの後ふらりと少女は現れディルックの顔を見るなり「大きくなったね」と言うとこの軟膏を渡したらしい。
答えを貰ったウェンティはその軟膏の器を優しく撫でながら「そっかぁ」と呟く。
「彼女と知り合いなのか?」
「知り合いというか…うーん…教え子、って言った方がいいかも」
「教え子?」
「彼女はね、今は付けてないけど風の神の目の持ち主でさ。僕と元素が同じだから元素力を扱えるように手伝ったことがあるんだ」
「だから教え子かな」と呟くウェンティの言葉をディルックは静かに聞く。
「あの子が今何してるか僕もわからないし最後にあったのは数ヶ月前。
そういえば稲妻にいるって言っていたね。
今頃旅人もそこに行っているかも」
仲良くしてるといいなぁ
その言葉は賑やかな酒場の中に溶けていった。
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空華(プロフ) - 花宮さん» コメントありがとうございます!感想書いていただいて嬉しいです!伏線張っておきながら全部回収できるか自分でも不安です…。これからも楽しみにしてください! (2022年7月10日 23時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
花宮 - 初コメ失礼します!ぬしさまの作品は色んなキャラと絡んだり所々に沢山伏線が張られていて見てみてとても面白いです!続編がますます楽しみになる作品ですね、、更新待ってます! (2022年7月10日 22時) (レス) @page10 id: d658c77d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空華 | 作成日時:2022年7月4日 22時