第39話〜グリーンドリーム編〜 ページ44
「えーっと1914年に起きた事件は」
瞬間移動の件から少し日が経ち、ある日曜日。
快斗さんは珍しく予習？ をしていた。
世界史かな、そこで手が止まっているようなので私が水を差す。
「サライェヴォ事件でしょ。日本の高校生って馬鹿なの？」
「あー! サラエボ事件か〜って馬鹿とはなんだ馬鹿とは」
「でもなんで不真面目そうな快斗さんが予習なんか？」
不真面目というワードに反応し、一瞬睨まれたが気にしない。
「だって俺今週学校行かねーもん」
「はあ？」
不真面目通り越して不良じゃねえか！
「それって、どういう」
「次、盗み出す宝石――『グリーンドリーム』がある舞台で使われるらしくってさ」
彼はオモチャを与えられた子供のようにウキウキしながら言う。
「それをこの怪盗キッド様がちょちょい〜っと華麗に盗み出すための下準備をするんだ」
「成程……結構大掛かりな準備するんですね」
「ああ、だって劇場の小道具のバイトとして潜入して仕掛けをするんだからな」
「そりゃあ随分手の込んだ、仕掛けですね」
グリーンドリームって確か世界最大のエメラルド……だっけかな。
となると、舞台の演目は『マルスとローザ』か。
私は息を吸い、あーあ、あ、と声を調節する。
何してんだこいつって感じの目線を快斗さんから受けるが気にしない。
よし……。
私は寝っころがっていたソファから立ち上がり『演技』を始める。
「――ああ、マルス様、マルス様！」
「え？」
「なぜ貴方はマルス様でいらっしゃいますの？ どうか今すぐその名をお捨てになって」
「おま……どうした!?」
「おおそれが君の望みなら喜んで捨てましょう――っていう劇だっけ」
オホンとわざとらしい咳払いをして、またソファに寝転がる。
「『マルスとローザ』でしょ？ 私それやったことある」
「えっ？ マジで!?」
当然快斗さんは驚く。
私は得意げに笑い続ける。
「サーカス団と言いつつ、まあ劇とかもやってたんです。因みにグリーンドリームが観客の目に晒されるのは劇中で二回――冒頭とクライマックス」
「へ〜。あとお前なかなか演技力高けえな」
「よく言いますね」
突如彼は何か、閃いたような顔をし、そしてすぐ、勉強道具をほっぽり投げた。
「A俺の声出せるか？」
「え？」
「青子〜って言ってみろ」
咳払いをして、声のトーンを下げてーー
「『青子〜！』」
「中々いい感じだな。これで俺は学校にも行けるし仕掛けもできる」
「は？」
私にはまだよくわからなかった。
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ふ。 - ？「私はこの人を信用しているし信頼しています」でも尊敬はしていません！」 (4月14日 21時) (
レス) id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» お気遣い心から感謝申し上げます！ 桜さんも健康にはくれぐれもご留意ください。 (2018年3月7日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いえいえ！私の方こそ指摘したくせに間違えていたらどうしようかとヒヤヒヤしておりました(｀・ω・´ )。最近日によって気温の寒暖差が大きいのでお体にお気を付けて下さいね。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。おっしゃる通りです、３年近くずっと気が付きませんでした……。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 突然すみません。conjurer and ciown の「ciown」がもし「ピエロ」という意味ならば「clown」ではないでしょうか？ (2018年3月4日 1時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
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