第31話 ページ36
「ハッハッハッ!」
怪盗キッドが高らかな笑いを上げて、空へと飛び立った瞬間、私は観衆の中から江戸川コナンを発見した。
地面に跪き、靴を何か――!
突如、江戸川コナンのベルトからボールが噴出された。
そしてエネルギーが宿った靴でそのボールを勢いよく且つ、天高く蹴り上げた。
危ない! と快斗さんに伝えようとしたが間に合わず。
そのボールは怪盗キッドめがけてまっすぐ空を翔け、キッドを追尾。
――キッドの頬を掠めた。
銀のモノクルがキッドの頬から撃ち落される。
驚きのあまり快斗さんは素顔が丸見えだというのに振り返り、名探偵の位置を確認し、意味ありげに口角を上げ微笑み、闇夜に消えていった。
* *
錦座四丁目の網が解かれた後私は毎度の通り観衆に紛れ帰路に就く。
混み合っている地下鉄に乗り、数駅乗ったところで一度電車を降りた。
そしてインカムではなく携帯電話で快斗さんに連絡を取る。
「快斗さんですか? お疲れ様でした」
『おう、Aか』
「最後は災難でしたね」
『あの名探偵め。っとそいやお前今どこにいるんだ? まだ錦座か?』
私は――嘘を吐く。
「そうです。ファンが一斉に帰りだすもんですから、ダイヤが乱れたみたいで到底帰れそうにありません。私のことは気にせず、寺井さんと打ち上げでも何でもしててください」
『わかった、気をつけろよな』
通話を終了し、駅の改札から出る。
快斗さんの家とは少し遠いこの米花駅に。
ブブッといつもとは違う携帯のバイブ音が鳴る。
咳払いをし、声のトーンを変え電話を取る。
「何? 『ベルモット』」
『貴女の右手にバーが見えるでしょう? そこに居るわ』
「本屋さんの隣の……あー了解」
ごめんね、快斗。
でも、これはあなたを守るためだから――
* *
「今日もうまくいったな、ジイちゃん」
俺はジイちゃんに話しかける。
なんだかAと俺とジイちゃんでいた時、いつもより雰囲気が変だった。
それを聞き出そうとしたのだが、ジイちゃんは「はい」とか「そうですな」とか適当な相槌しか打たない。
もっと踏み込んで聞いてみるか。
「Aとなんかあったのか?」
ジイちゃんは答えなかった。
「ジイちゃん!」
強く問いかけるとジイちゃんは「何もありません」と答えた。
が、少し表情を変え。
「Aさんにはお気を付けください」
と言って、それ以上はもう何も言わなかった。
俺にはその意味が分からなかった。
時間も時間。明日は学校だし帰ろう。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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革ベルト
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ふ。 - ?「私はこの人を信用しているし信頼しています」でも尊敬はしていません!」 (4月14日 21時) (レス) id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» お気遣い心から感謝申し上げます! 桜さんも健康にはくれぐれもご留意ください。 (2018年3月7日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いえいえ!私の方こそ指摘したくせに間違えていたらどうしようかとヒヤヒヤしておりました(`・ω・´ )。最近日によって気温の寒暖差が大きいのでお体にお気を付けて下さいね。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。おっしゃる通りです、3年近くずっと気が付きませんでした……。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 突然すみません。conjurer and ciown の「ciown」がもし「ピエロ」という意味ならば「clown」ではないでしょうか? (2018年3月4日 1時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
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