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「はぁ…おいしかった♪アーサー、ありがとう!」
「おう。」
気に入ってもらえて何よりだ。ま、俺が常連で通ってる店だしな。俺が唯一認めた紅茶を出してくるからたまったもんじゃねぇ。
「アーサーにしては、良いセンスしてるんじゃないの?」
「お前は一言多いんだよバーカ。つーか、いつまでいるんだよ!!帰れ帰れ!!」
「やだこの子、反抗期?年中反抗期なの?」
俺らがいつものくだらないやり取りをしていたら、くいくいっとAが服の裾を引っ張った。
「ねぇねぇ、あれって何?」
Aが指差したのは遊園地。
めちゃくちゃ目が輝いているのが手に取る様にわかる。
「あれは遊園地って言ってな、簡単に言うと、遊ぶ場所だ。……もしかして、行きたいのか?」
俺が聞くと、案の定思いっきり首を縦に振った。
うーん…今日はもう、時間も時間だしな…
「…わかった。明日にでも行くか。」
俺がそう言うと、嬉しそうに「やったぁ」と両手を万歳する。
くそっ、かわいい奴め…
「へぇ…アーサーが素直になるだなんて珍しいな。」
「お前さっきっからマジ何なの。」
俺のことがそんなに嫌いなら早く帰れば良いじゃねぇかよ。
「俺はただ、かわいいAちゃんの側にいたいだけさ♪」
「うわ…」
ダメだこいつ。お巡りさーん(ハンガリー)ここに不審者がいまーす。
「じゃ、俺らは帰るから。着いてくるんじゃねぇぞ。ほら、A、帰るぞ。」
後ろの方で騒いでるが、俺は何も知らない。
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「くしゅんっ」
「おや、風邪ですか?」
「いやね、そろそろ流行る時期かしら…」
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