ぶれいくたいむ 【トド松】

○ ページ9

「ま、良ければ愚痴でも聞くよ？」


「良いの？ありがと〜…」



いやぁ…すごいね、うん。


あれからかれこれ40分。
トド松君の口からはつらつらと兄についての愚痴が溢れてくる。


それにしても、お兄さん像がぜんっぜん想像つかない。


え、何。

奇跡のバカでイタくて自意識ライジングで根暗でアホで…。


ごめん、どんだけキャラぶれてるのよお兄さん。一度でいいから会ったみたいよ。



「そっかぁ…大変だねぇ、トド松君も。私にも兄さんがいてさぁ…」



そう言うと、トド松君は目を丸くした。


「え、何？」

「いや、Aちゃんってお姉ちゃんのイメージあったから…」

「そぉ？」



私がお姉ちゃんかぁ…


…。ナイナイ。




「甘えんぼで世渡り上手で、欲しいと思ったら手に入れる、そんなのがお姉ちゃんとか、どぉ？」

「末っ子だねー。僕と一緒だー。」




そこまで棒読みにしなくても良かない？


「それにしても、Aちゃんのお兄ちゃんかぁ…想像つかないや。会ってみたいなぁ…」


いやいや、君のお兄様の方がキャラ迷宮入りだから。
むしろ会って話してみたいから。



「それにしても…まだ兄弟で実家暮らしかぁ…」

「う゛っ…け、慶應が近いからさ。」

「へぇー…実家かぁ…良いね。楽でしょ？家帰ってきたらご飯あってさ。」

「Aちゃんは一人暮らしなの？」

「まーね。社会人だからね、これでも。」



そっかぁ…そういえばだけど、私の方が歳上かぁ…


若いって、良いね←

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