お願いです、日常を返してください。第二巻【妖怪松】

昔の話 其の五 ページ10

なんら変鉄の無い日々を過ごしていたある日のことです。それは突然やってくるものです。


「ここ最近、どうも天候がワシらの味方をしてくれんもんでねぇ…。どうにか、できんもんですか？」

「天候に関しては…そうですね、できることはやってみましょう…。」




どうやら、最近は天気が不安定らしい。
全然雨が降らなくて、畑がからっからになったかと思いきや、いきなりどしゃ降りになって畑がめちゃくちゃになったり…


親父様が言うには、天候は天に住まわれる神様にしかどうすることはできないんだって。



…だから、地に住むあたしらはただ祈ることしかできないの。




でも、神様を怒らせた訳でもないのに、どうしてあたし達がこんなに苦しい思いをしなきゃいけないんだろう…。

別に、何もしてないわ。



そう、人間は…。

なのに、どうして…




そんな風に考えたあたしは、ある一説が頭に浮かんだ。




…もし、






…もしも、妖怪のせいだったら…？





もしかすると、天で何か、神様がお困りになられているのかもしれない…。


そう考えると、いてもたってもいられなくなり、あたしは山奥へと駆け出した。






あたしの友達の、あの子達の元へ…

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