お願いです、日常を返してください。第二巻【妖怪松】

其の四十四 ページ13

学校で桜花達に昨日のことを聞いたんだ。
ほら、一人で考え込んでたってわからないものはわからないでしょ？


昨日も昨日とて皐達にも相談したんだけど、結局わからず終い。



一応、二重人格なんじゃないかってのが一番の説かなぁ…。

アイツはアイツじゃないとか…



「んー…わかんないなぁ…。そもそも、その人とはどんな関係なの？」

桜花が椅子の背もたれにもたれ掛かりながらそう聞いた。


「最近知り合ったばっかの人…かなぁ。……あ、ちなみに、私によく似た人と昔知り合いだったらしいよ。」



さすがに、妖怪だとは言えないので、あくまで人間という程で話す。

それに、生まれ変わりとか言った瞬間、はぁ？ってなるだけだしね。



「そうなんだぁ…んー…、だったら、もしかするとそれだからこそ、なんかもしれんなぁ…」

「えっ？」

「ん？だから、その昔の知り合いさんにそっくりなら、その人と重なっちゃって、どうしても攻撃的になっちゃうんかなぁ…って。」


美玲ちゃんが首を傾げながらそう言った。

いちいち行動かわいいなこのやろぅ((((



「そんなもんかなぁ？」

「そんなもんよー。」



そんな感じで完結させようとしていたとき、隣に座っていた彼がいきなり口を開いた。






「……天の邪鬼。」

「……え？」

「石倉？いきなりどーした？」



石倉君はちらっと桜花ちゃんを見、私に向き合った。


「天の邪鬼っていう妖怪がいるんだ。…あくまで、迷信だから信じるかは君達次第だけど。……その天の邪鬼っていうのは、自分が思っていることと逆のことを言わせてしまう、行動させてしまうっていう妖怪。……それなら、一応説明はつく。」

「……─妖怪」




妖怪、かぁ…



彼の説明が終わると共に、チャイムが校内に鳴り響いた。

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