お願いです、日常を返してください。第二巻【妖怪松】

其の三十六 ページ4

「誰」



そう、これ。

これが正しい反応です。


「えっと…私の弟の皐と辰巳。あとは幽霊のトト子。」


「へぇー……さて、特訓を始めようか。」



うん、ごめん、なんか違った。

おいもうちょい反応示せや。



「ねぇ、Aと約束してたのって、人じゃなくて妖怪だったの？」


「うん、まーね。」


「てっきり、デートにでも行くのかと思ったわ。」




トト子さん、私引っ越したてよ？それに行くとしても絶対に弟たちを誘おうとは思わないからね？



「妖怪かぁ…俺、何も見えねぇんだけど…」


「あー…どする？帰る？」


「いや、ここまで来て帰りたくはないよな。」



うん、知ってたよ。





「おっ、Aじゃーん。しかも辰巳くん、いらっしゃーい、我が住みかへ！」


どこからともなくおそ松が現れ、辰巳の頭をわしゃわしゃする。

辰巳ってさ、何となく犬っぽいよね。


性格は絶対猫派だけど。




「んで、何で今日はここに？」

「チョロ松と特訓。」

「……あぁ、なるほどね。」

「今絶対心読んだでしょ。」

「だって何すんのかイマイチわかんなかったしー。」



ま、俺も手伝ってやるよー。


と、言うわけで、チョロ松と私、おそ松による妖力特訓が始まったのである。

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