お願いです、日常を返してください。第二巻【妖怪松】

其の三十四 ページ2

私と皐は台所を使っておにぎりを作ってる。

ほら、山でお腹空いたら困るでしょ？それに…妖怪の食べ物はちょっと…



この前、気になって辰巳に聞いてみたらさ、ネズミだとかその辺の野性動物って説もあるし、人間の心を食ってるとか…あるいは、人間そのものを食ってるか…

って聞いたんだけど…



ちょっとぞっとするよね、うん。
…まぁ、あいつらは人間関係は食ってない…と、思って…うん、思いたい。



「こんなもんで、良いか？」


たくさんのおにぎりが入った籠を私に見せながら皐が聞いてきた。


「うん、オッケー♪」



こんだけありゃ、十分っしょ。


「つーかさ、今日は俺らも連れて…何しに行くんだ？」


「んー…特訓…かな。」


「何のだよ…。」


「それは、ね。行ってからのお楽しみ。」



まぁ別に、もったいぶる必要は無いんだけどさ。めんどくさいじゃん、説明するの。




●○●


「辰巳ー。そろそろ行くから用意してー。」


「りょうかーい。」




居間でトト子と話していた辰巳に声をかけた。
辰巳は二階に上がっていった。アイツなりの用意をしに行ったんだろう。


「ねぇ、A。」


「ん？なぁに？」


「あの子、将来有望ね。」




いや、何が。

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