異世界2 ページ3
しばらく歩いていると、新宿歌無木町の文字。
「しんじゅく………んんん?なんて読むんだ」
歌…無い…木…?
考えを巡らせているとひとつの答えが浮かんだ。
「もしかして、かぶきちょうって読むの…?」
え、私の知ってるかぶきちょうは歌舞伎町って書くんですけど!?歌舞伎の町じゃねーのかよ!?
ほんといよいよここどこだよ!異世界か!?
あのかの有名な異世界に来ちゃったの!?ラノベかよ!望んでねーよ!
異世界だったら日本語使えないかもしれねえ!
それは不安!
「え、わたしこのまま一生帰れないのでは…実験台にされた男も見知らぬ駅に迷い込んだ女も、奇跡的に生還できているけど…えっ私帰れないかもしれないじゃん…どうしよう…ここで暮らす?いい考え!でも住む場所ないしな、不動産屋とか無いのかな、ちょっと誰かに聞いてみようかな…」
しかし私はアホであった。
帰れないのなら住めばいい、なんとも楽観的なのだろうか。
「あっちょっとそこのお兄さ〜ん!」
とりあえず目の前を歩っていた銀髪のお兄さんに声をかける。日本語通じますように…
「あ?」
「(日本語通じた…!)私住むところないんですけど、どっか探すとこ知ってますか!?」
「住む場所ダァ?んなもん不動産屋いけよ」
「いや、だからその不動産屋ってどこに…」
「銀さん待ってくださいよー!」
なんとも爽やかな声。
振り返ると、眼鏡をかけて荷物を抱えた青年が走ってきていた。
「荷物持たせといてなに先に行ってんですか!」
「テメェが持つ係だろうが新八くんよ」
「いや銀さんの買い物でしょ!…って、あれ、この方は…」
「あ、すみません!わたし今住むところ無くて困ってて…!」
「依頼ですか!?」
急に食い気味になる新八くん。
依頼…?依頼とは…?
「オイオイ新八、余計なことを…」
「万事屋に依頼ですよね!?一緒に家を探しましょう!」
え!?
「家、探してくれるんですか!?」
「もちろんです!行きましょう!」
「なんでそんなやる気なんだよ…」
だるそうにまた歩き出す銀髪。銀さんって呼ばれてたけど、あだ名かなあ。
それにしても、家を探してくれる萬屋って初めてだな!古本とかDVD売ってるだけじゃないんだ!
さすが異世界!!!!
素敵な家が見つかるといいなあ!
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作者名:しらす | 作成日時:2020年10月27日 16時