失礼な話 ページ4
それから僕たちは、最低でも週に一回は会うようになった。会っている時間は、一時間だったり一日だったり、会う場所もカフェだったり図書館だったり様々だったけれど、そのどれもがとても居心地の良い時間だった。
彼女が発する言葉も、こんな言い方はおかしいのかもしれないけれど、だんだん文章が長くなってきて、打ち解けてくれているのがわかった。
彼女によると、彼女は結構な人見知りで初めて会う人には毎回あんな話し方になるらしい。大体の人はそれで不機嫌になって話しかけてこなくなるから、僕は稀有な存在だったらしい。
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「合コンとか、いつも私が誘われるんです。絶対相手にされないから競争率は減るし、人数合わせには格好の存在らしくて。」
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そう彼女が言ったから、こんな素敵な子と話さないなんて勿体ないね、と柄にもないことを言ってみた。そうしたらちょっぴり頬を赤くして、野上君も変な人だね、と返してきた。失礼な話だ。
だけど今思えば、彼女の口から僕の名前が発せられたのはその時が初めてだった。僕を呼ぶ呼び方はこれからどんどん変わっていくし、何回も何回も呼んでくれるんだけど、やっぱりこの時の事は忘れられない。
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豆娘(プロフ) - にしさん» 遅くなってすみません。ありがとうございます、ありがとございます。もともと原稿用に書いていたので、こういうサイトのだと読みにくくなるかと懸念いたしておりました。嬉しいお言葉、本当に、本当に、ありがとうございます!! (2012年7月30日 19時) (レス) id: 1e72e96e25 (このIDを非表示/違反報告)
にし - ヤバいです!!!涙腺がピンピンのはずの私が号泣しました;; (2012年7月5日 14時) (レス) id: 8cdf065869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆娘 | 作成日時:2012年4月20日 15時