あの日の空 ページ16
結婚を決めてすぐ、私のお腹に命が宿っていることがわかった。オーダーメイドのウエディングドレスからもわかる、大きくなってきた私のお腹の中にいるのは……先の検診では、どうやら男の子らしい。
産婦人科医として沢山の妊婦さんとお話をしてきたけれど、実際自分がなってみるとなんだか凄く不思議な感じがして、でもやっぱり幸せだ。
.
「智絵さん、お時間です、お願いします。」
「あ、はい、お願いします。」
.
素敵な笑顔のスタッフさんに促され、式場へ向かう。
真っ白の綺麗な廊下、サイドには可愛いお花が飾ってある。正面の開け放たれた窓からは秋晴れの真っ青な空が見えて、さわやかな風が心地よくベールをゆらす。
あの日と同じ、透き通るような空。和、空から見てるかな？ふと見上げて、声をかける。
.
「ありがとう、行ってきます。」
.
.
.
.
.
.
.
「おめでとう、幸せになれよ。」
.
かすかなその和の声は、空からではなくもっと近い所から聞こえた気がした。
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←最後の役割
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
豆娘(プロフ) - にしさん» 遅くなってすみません。ありがとうございます、ありがとございます。もともと原稿用に書いていたので、こういうサイトのだと読みにくくなるかと懸念いたしておりました。嬉しいお言葉、本当に、本当に、ありがとうございます!! (2012年7月30日 19時) (
レス) id: 1e72e96e25 (このIDを非表示/違反報告)
にし - ヤバいです!!!涙腺がピンピンのはずの私が号泣しました；； (2012年7月5日 14時) (レス) id: 8cdf065869 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：豆娘
| 作成日時：2012年4月20日 15時
