九日目 ページ9
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玄関の呼び鈴を鳴らし、返事を待つ私たち。
キバナさんが会わせたい人って誰だろう。
「はーい、どちら様ですかー?」
がちゃり、と開いていく扉から声が聞こえる。
そこから現れたのは、私と同じかそれよりも少し低い年齢だろう男の子だった。
「おー、マサル!元気だったか?」
「えっキバナさん!?どうして此処に?」
笑いながら頭を撫でるキバナさんと、嬉しそうに外に出てきて頭を撫でられるマサルくん。
ユウリちゃんの家族かな?
「…あれ?キバナさん、そこにいる女の子は?」
「ああ、今日はコイツがユウリに用事があって来たんだ。何処か分かるか?」
「分かりますけど……先にこの人と自己紹介していいですか?」
「もっちろん!」
キバナさんの返事を聞いて、私の方を向いてくるマサルくん。
そう言えば、彼ら以外に同い年位の人と話したのどれくらい前だったっけ?
「僕はマサル。ユウリの弟で、今はブリーダーを目指しているんだ」
「私はA、アローラからユウリちゃんに話があって来たの。よろしくね!」
「ピピカ、ピカピー!」
笑えば笑い返してくるマサルくんに、とりあえず用事の詳細を教える。
話さなければ疑われるって、キバナさんからじっくり学んだもん。実際に。
「凄いね、チャンピオン代理なんて」
「元々はお兄ちゃん達の為に始めたお手伝いだったんだけど、いつのまにか代理になってたんだ〜」
「そうだったんだね」
マサルくんとの話は楽しい。
いやキバナさんの話がつまらなかったとかじゃなくて、同年代の男の子と話すのは新鮮だから。
マサルくんの方が二歳年下だけど。
「それで、ユウリの場所でしたっけ?」
「ああ。ワイルドエリアかな、とは思ってたけど」
「いや、今日は確かチャンピオンの仕事でインタビューを受けた後に行くって聞きました
多分、まだ行ってないと思います」
「インタビュー……」
アローラではインタビューとか少ないから、なんだが変な感じがする。
テレビに映ることもたくさんあるし、そういった場がないわけじゃないけど……アローラは、自由だから。
テレビを見るより外で遊ぶ!って感じだからか、仕事とプライベートが分けなくても大丈夫になっている。
「場所は分かるか?」
「いえ、そこまでは流石に……ただ、ナックルシティだと思いますよ」
「はあ!?まじかよ、完全にすれ違いだな」
ナックルシティかあ。
私、あそこで観光をついでにしたいなあ。バトルも出来れば嬉しい。
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ゆきな(プロフ) - ( ̄▽ ̄)b (2020年4月2日 22時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:生ハム信者。 | 作成日時:2020年1月8日 22時