執事の信仰 ページ5
売り子から徹底的に情報を搾り、証拠を収めて捕縛する。盛られたものが睡眠剤とはいえ、量が多ければ死へと繋がることもある
『続きは法廷で』
「くそっ…!」
『……』
……まぁ…最終的にはそれが目的だったのだろう……私にも責任はあるが…証拠は全て揃っているし審判では此方に分がある。故に問題はないだろう。ただ、気が乗らないのも確かだ
審議を娯楽とする今のフォンテーヌは……今の方針は余り好ましくない。あの方の事は嫌いではない。だがあの方に好感を持つ者もいれば不満を持つ者もいる、この売り子の様に…引き渡す為に連絡を入れようとした瞬間…ピリと空気が変わる
『…』
「こんばんは……否、今はこんにちは、か」
カツ、とヒールの音が鳴る。耳に届くば此処に居るはずのない女の声。視線のみ声の方へと向ければ路地には1人のシルエットが浮かび上がった
『…まさか貴女様がお見えとは……もしや、この売り子は貴女様の命で動いていたのでしょうか』
「いいや、其れは関係ない」
『では何故此処へ』
姿を見せる訳でもない声の主へと問い掛けるが答えは無い。本当に何をしに来たのか…用がないのであれば私は歌劇場へ戻りたいのだが
「神を嫌っている男が、神に仕えている理由が気になってな……戻って来るつもりは?」
『ありません』
少しの沈黙の後、口を開いた彼女の問い掛けに間髪入れずに答えを返す。縛り上げた罪人の紐を緩く持ち私は言葉を続けた
『戻るつもりはありませんよ。私はあの方の傍に在る………確かに神を嫌っていましたが、魅入ってしまったのだから仕方がない。恨み辛みはありますが彼女に向けて其れはない…今更どうだと言うつもりはありません。だがもし…貴女"達”の矛先がこの国の神に向くと言うならば、私の鋒もまた貴女に向く事になる』
何もするなと威嚇を込めた言葉を放つが返事は無い。彼女はただ口元に笑みを浮かべ此方を見るばかりだ
『……友人には神を信じ過ぎるなと言われましたが……例えこの国の民であろうと、他の国の神であろうと…それこそ天理であろうとも、彼女を苦しめているならば私は何にも容赦はしない』
すれば、彼女は「肝に銘じておくとしよう」とただ一言言い残しその場から立ち去った
ファデュイの執行官の1人、アルレッキーノ。彼女が再び私と相見えるのはまた暫く先のことだ
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時