メロピデ要塞の管理人【過去編 3】 ページ39
sideリオセスリ
夜中だというのに、メロピデ要塞へ囚人を送ると上からの速達があった。なんでもその囚人の審判は観衆の居ない異例の審判で告発云々もなかったようだ。というのも……その罪状に水神フリーナ様とヌヴィレットさんご本人方が直接関わっていたという
速達を受け取った僅か数分後に件の囚人がやって来た。目元を包帯で覆い隠しコートの様な洋装にフードを被った男……細身ではあるが、ひ弱な訳では無いのは見て分かる
「囚人ナンバー……否、やめよう。キミがA君だな、ようこそメロピデ要塞へ」
『…』
「盲目ではないと聞いているので他の囚人と同じ生活をして貰うが…構わないな?」
『…』
「ほぉ、なるほど……俺とお話はしないと…まぁいい、キミがすぐに馴染めるよう要塞を案内しようと思ったんだが…ご存知の通り今は真夜中でね。他の囚人は眠っている、また明日の朝に案内をするからキミは自分の独房で休んでくれ」
俺が話しかけても応答はない、口を聞くのも嫌というよりも…彼のコレはどうも違う気がする。どうかこの違和感が俺の杞憂であってくれればいいんだが…
「頷くか首を振るかで意思疎通はしてくれよ。独房まで案内するが動けるかな……言葉は通じてるんだろう?」
問いかければ彼は1つ頷いた。それを見た俺が踵を返し足を進めれば後ろから足音がついてくる。視界は閉ざされていながらも足取りもしっかりしており、受け答えをしないが逃げる様子もない…一体何を考えているのか………暫く歩いた後に独房に到着し、A君がベッドに横たわったのを確認してから執務室に戻る
「…とはいえ…与える仕事は簡単なものにしなければな」
盲目ではないとはいえ包帯を巻いていれば見える筈もない。本来ならば外させるのだが、速達に外させるような真似はしないようにと忠告があった…しかもフリーナ様とヌヴィレットさん両名のサイン付き。とんだ囚人が来たもんだと思いながらも俺は明日からの予定を組み立てる。どうか刑期が終わるまで何事もありませんようにと願いながら
だがそんな俺の願い虚しく…明朝から予想だにしない行動を起こしたA君に俺は久しく感じなかった目眩を覚えた
「公爵……」
『…すぐに治る…問題ない…遊戯の様なものだから』
翌朝3時、とある囚人からの報告…同じ独房のA君が血を流しているとの報告を受け来てみれば、俺よりも先に駆けつけたであろう看護師長が数多の布でA君の首を抑えていた
…ヌヴィレットさん、あんた本当にとんだ囚人を寄越してくれたな
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時