読めない思惑 ページ31
side空
ダインが友達だと言っていた、Aという男。水神の付き人を務めている彼は……あの日の夜、俺とパイモンに頭を下げた
この国をどうか頼みます、と。パイモンは任せろと胸を張って頷いていたけれど、俺には彼の言葉が何処か他人事の様に聞こえて…それがずっと気になっている
「おい!聞いてるのかよ旅人!お前昨日からぼーっとし過ぎだぞ!」
「ごめん。少し考え事してて」
「考え事?なんか悩み事か?オイラが相談に乗ってやるよ!……そーだ!ちょうどあそこにカフェがあるし、立ち話もなんだから何か食べながら話そうぜ!」
「パイモン…」
意気揚々としてカフェに向かうパイモンの後を追いかけて、飲み物と甘いデザートを注文して席に着く。パイモンは早々とデザートに口をつけながら「それで…」と俺に目を向けた
「旅人は何を悩んでたんだ?」
「…この前会ったAって人のこと」
「アイツか!…うぅ、そんな悩む様なことあったか?……おい旅人、このデザート美味いぞ!」
「あの人が何を考えているのか全然分からなくて…ちょっと怖い」
パクパクとスイーツを食べるパイモンの言葉に軽く相槌を打ちながら、俺は先日の彼の姿を思い浮かべる。執事服に身を包み、白手袋を装着していた彼の腰には…神の目が2つ備わっていたように見えた。ひとつは氷元素の神の目……もう1つは、ダインと似たような…
「そういえばあのAってやつ、なんで水神の付き人なんてやってるんだろうな?……ダインはアイツを友達って言ってたし、アイツもカーンルイア人だって自分で言ってただろ?神のことを恨んでたって良い筈なのに、どうしてわざわざ神の傍に居るんだ?……もしかして何か企んでるんじゃないか?」
「企んでるって何を?」
「えっ!?……ウーン…水神の神の心を奪う……とか」
俺が聞くとパイモンは口元にクリームをつけたままやたら難しい顔で答えた。例えばだぞ!と慌てたように付け足してきたので苦笑を返す
「でももしそうなら、俺達にあんな頼み事しないよ」
「うぐっ…だから例えばって言っただろー!」
フンと怒ったパイモンはスイーツを頬張りそっぽを向いてしまう。だけどもしも……もし、本当にパイモンが言う様な事があったとしたら………それでなくとも、彼と敵対する羽目になってしまったとしたら…
《あの男について貴様に言える事があるとすれば…
奴の実力は俺よりも遥かに勝っているということだけだ》
俺は彼に勝てるんだろうか
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時