冷えた身体に温もりを ページ30
その後、小降りになった雨の中を駆けてAと共に部屋に戻る。彼はすぐに浴槽の支度をしてくれて、僕に湯に浸かるように言った
『私はヌヴィレットに帰った事の報告をして参りますので』
「わかった…」
『報告を終えて着替えてから直ぐに戻ります』
きっと引き止めたら困らせてしまう。僕が頷くと彼は部屋から足を運び出し…1人残された僕は言われた通り浴室で湯に浸かった………湯船に入って十分程した後に、部屋に戻ったとのAの声が聞こえた
「あっ、えっ、早くない!?」
『えぇまぁ、急ぎましたので』
浴室のドアの向こうから、ややくぐもった声が返される。僕がびっくりして思わず立ち上がったのを音で判断した彼は、まだ湯に浸かっていてくださいと言った
『身体を温めてから上がって来てください。私は温かい飲み物をご用意してお待ちしていますので……着替えは此方に置いておきますね』
「ま、待って!もう温まったから大丈夫!」
遠ざかる声に慌てて言い返しタオルで身体を隠しながら浴室から飛び出すと、Aはギョッとした様に僕を見て手に持っていた着替えを床に落とした
『あああ貴女なにしてんですか!!』
「いやぁぁぁ!なんでまだそこに居るんだよ!!飲み物用意しに行ったんじゃないの!このっ、スケベ!」
『はぁあ!?急に飛び出してきたのはそっちでしょう!』
「ていうか僕の着替え落としてるし!!」
『あ゙あ゙あ゙あ゙っ!やめてください!やめっ……やめろ拾うな!私が拾うから!そのまま屈むなお願いですから!ご自分が今タオル1枚なの分かってます!?本当にやめて見えそうなので!』
「どっ…どど、ど、どこ見てんのさ変態!!」
顔を真っ赤にして叫ぶAに近くにあったボディミルクの容器を投げつける。容器が顔面にヒットしたAは鼻をおさえてふらつきながらも脱衣場から出て行った。その後、Aが持って来てくれた新しい寝巻きに着替えて浴室から出ればソファに腰掛ける彼にジトッと睨め付けられる
「なっ……なんだよ……僕は別に……容器を投げたのは…ごめんと思ってるけど…それより、温かい飲み物は?」
用意しておくと言っていたのにそれらしきものがない。辺りを見渡す僕にけれど彼は口元に手を当てニコと微笑んだ
『もっと効率良く身体を温める方法を思い付いたので…飲み物の用意はしていません』
笑っているのに笑っていない…思わず身体を強ばらせれば、『おいで、フリーナ』と強めの口調で呼ばれた
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時