旅人との密会 ページ27
フリーナ様が寝静まった後、私は部屋を離れ街に足を運んでいた。友から渡す様に頼まれたという手紙にメモ紙が添えられていた為である。指定された【ホテル・ドゥボール】の中に入れば、旅人と…もう1人女性が席に座ったまま此方を振り返った
「…」
「あっ、オーイ。こっちだこっち」
旅人は軽く会釈をし宙に浮く白い生物が手を振り声をあげる。私は用件を手短に済ませようと其方に足を向け彼等の前で立ち止まった
『こんばんは。早速ですがご用件をお伺いしましょう』
「こんばんは、オイラはパイモン、こっちは旅人の空。そんでそいつはナヴィアだぞ!」
『自己紹介は結構です。ご用件は?……此処に来いとメモ紙にあったので言う通り足を運んだのですが』
「ちょ…ちょっとこの人水神の付き人じゃない相棒。そうホイホイ出歩ける人じゃないのよ…」
「うん、ちょっと聞きたい事があって……この人、審判で俺たちの手助けをしてくれたから…その理由が聞きたくて呼んだんだ」
ナヴィアさんの言葉に返す様に、けれど私への用件を口にした彼はそのまま此方に視線を向ける。私はふと息を吐きそんな彼に笑顔を返した
『私はフリーナ様の為に発言したのであってキミ達を助けた訳ではありませんよ』
「えっ!そうなのか?でもお前が彼処で口を挟まなかったらナヴィアが間に合ったかも分からないし…」
『分からないだけで間に合わなかった確証はない。まさかその為だけに私を呼び出したのですか?無駄足でした』
「オイ!なんだよその言い方!」
「だから言ったでしょ。この人はそう簡単に外を出歩ける人じゃないの…」
私の言葉に腹を立てたパイモン殿をナヴィアさんが宥める横で、旅人の彼だけは相変わらず私を見上げ続けていた。まだ何かと問いかければ、次はダインの所には戻らないのかと口にする
「ハールヴダンの事も聞いてるんでしょ」
『聞いてますが戻りませんよ。今の私にはやらなければならない事がある』
「…」
『人間生きていれば大抵の方は理解できる簡単な事です…何を捨てても守りたいものがある。どれだけのものを敵に回しても守りたいものがある。だから私は彼の元には戻りません』
「神を恨んでないの?」
『…随分と土足で踏み込んで来ますね。恨んでいますよ。でもそれとこれとは関係ない』
「リネを助けたのも、守りたい"人”の為?」
少ない言葉だが…一々が核心を突いてくる。私は少しの沈黙の後飲み物を注文し空いている椅子に腰を下ろした
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時