予言と不安 ページ26
『……』
口封じ…それはそうだ、黒幕からすれば正体がバレてしまえば次に裁かれるのは自分なのだから。その後この場にいる全ての者が検られたが何の証拠も見つからなかった
「A…キミは、全部わかった上で今日の審判について来たのかい」
『えぇ…彼処で口を挟んだのはあれ以上貴女が恥を晒さない様にする為です。最初から彼等が無罪だと言っても貴女は告発してしまった以上あの場に立たなければならなかったので…タイミングとしては最適だったと思います』
「…黒幕の正体はわかってるの?」
『凡その目星はついておりますが、証拠が不十分です』
「そ、そうか…」
『それに私が動かずとも連続少女失踪事件については、あの旅人達が真犯人を見つけ出してくれるでしょう』
「…そっか」
帰路につく途中、フリーナ様に問われ答えるが彼女は浮かばない顔をして俯いていた。水に人が溶ける事と予言を結び付けているのだろうか
『…予言についてお考えですか?』
「………うん」
直接問うてみれば彼女は一つ頷いた。何時もならば虚勢を張ってそんな事ないと言うところだが…この様子から考えるによほど堪えているのだろう
『今日はこれ以上予定はありませんし、何処か寄ってから帰りましょうか?……気分転換にもなるかもしれませんよ』
「…ううん、いい。早く帰ろう」
『では…何か食べたいものでも』
「良いから…早く帰ってキミと2人だけになりたいんだ。そうすれば、弱音だって吐けるし……キミが抱き締めてくれれば、安心出来るから…」
気を使って言ってみたがどうやら不正解だったようだ。フリーナ様は私の袖を掴み小声で言った。確かにそれもそうだと思い寄り道すること無く帰り、部屋に到着するなりフリーナ様は私に身体を預け倒れ込む
「…一体……何時まで耐えればいいんだ…」
果たして其れがどのような意図の発言か、私には到底分からなかった。ただ、静かに涙を流す彼女の小さな身体を抱き締める
「Aはずっと…僕の傍に居てよ……僕と一緒に…」
『大丈夫ですよ、ちゃんと傍に居ますから…何を敵に回そうと……何があろうと貴女を一人にはしませんから』
宥めるように、どうか少しでも不安が和らぐ様にと願いを込め言葉を返す。懐には旅人から渡された友からの手紙が入っているが、今更その内容を聞き入れる事など出来なかった
『……私は貴女のものですよ』
神から全てを奪われた私が神に全てを捧げるだなんて…同胞達への侮辱になるのだろうか
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時