恋人の時間 ページ24
さっきまで無表情だったAの顔に笑みが浮かぶ。泣いている僕の目元を拭って、僕の身体を抱き締めてくる。恥ずかしいとか、なんで笑ってるんだとか…色々と言いたい事はあるのに、真っ先にホッとしてしまった
『貴女を嫌いになる理由はありませんよ。こんなにも愛おしいのですから』
包み込む様に抱き締められて、耳元で囁かれる甘い声が僕の脳を痺れさせる。恥ずかしくてたまらなくて離れたいのに、身体が離れようとしない。Aの服を掴んで顔を胸元に埋めさせる。タキシードを脱いで上はシャツ1枚になってるから、何時もよりもAの温もりが近くに感じられた
「…」
一定のリズムが保たれてる心音が心地よい…だけど、何時もより少しだけ鼓動が速い気がする。気の所為だろうかと思った矢先Aの口から微かに笑い声が零れて、かと思ったら彼の右手が僕の顎を掴んで横を向かせる
『ねぇフリーナ様、貴女今ご自分がどのような顔をなさっているのか分かりますか?』
すれば今度は左手で手鏡を僕の前に見せてきてそう言った
『泣いて潤んだ瞳に紅く染まった頬、私に抱き締められてやや意識も朧気でしょう』
「……っ…や、ヤダ、それ、仕舞って!」
改めて言われると恥ずかし過ぎる…!顔を逸らそうにも顎を掴まれているからそれが出来なくて、ならばと思ってギュッと目を瞑れば、唇に温かいものが軽く触れた
「…え」
ほんの一瞬、だけど確かに触れた感触はある。何が起きたのか…確認する為にも目を開けたら、僕の顔を覗き込むAとバッチリ目が合った
「…え、と…A…今、何かした?」
『さぁ…どうでしょうね。何が起きたか知りたければ、次は目を開けてもう一度確認してください』
ニコリと笑うその顔で全てを察する。自分の顔が紅くなるのが分かって、だけどAは抱きしめたまま僕を離してくれなかった。やばい、ダメだ…完全に彼の手のひらで踊らされてる!
『どうしますか?もう一度、確認してみます?』
「ぅえ?…えぇと…」
僕が察した事に気付いた上でAは言っている。親指で唇を軽くなぞられて身体がビクリと強ばってしまった。嫌だなんて言えなくて、だけどやっぱり恥ずかしくて…否定しようと口を開こうとした瞬間Aに口を塞がれた
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時