水神様の恋人 ページ21
拗ねた様子でクッションを抱き締めているフリーナ様に構わず、お茶と菓子を彼女の前に用意する。ふわりと香る甘い匂いにフリーナ様はクッションを離し菓子にフォークをいれた
『先程は少しからかい過ぎてしまいましたね。申し訳ございません』
「…本心は?」
『大変可愛らしいものを見られて満足です』
ケーキを頬張りながらもジトッと此方を見て言うフリーナ様に本音を言えば彼女は更に頬を膨らませた。怒っているのだとしても可愛らしいだけなんですがね
「あんなの見て可愛いって言うなんてどうかしてる!」
『そんな私と恋人になられたのは何処のどなたでしょう』
「うぐっ……それは…」
『それは?』
「け、ケーキのおかわり!……早く持って来て!」
笑顔で問い詰めてみれば彼女は空になった皿を私の方にズイッと差し出し叫ぶ。要望に答えるべくその皿を受け取ろうとした際に指先がほんの少し触れたが、すれば彼女は顔を赤く染め勢いよく手を引いた
『今お持ちしますね』
…指先が触れただけでこの反応。からかいたくもなるでしょう?私は何も悪くありません。新しくケーキを用意しながらチラと視線をフリーナ様に向ければ、自身の手を眺めていた
「触っちゃった…」
かと思えばそのような事を呟き恥ずかしそうにクッションに顔を埋めているのだから私としてはたまったもんじゃない。指先が触れただけであの恥ずかしがりよう……それ以上の事をしたらどうなるのかという好奇心が止まらないではありませんか
『フリーナ様、お持ちしました』
「ありがとう」
再び置かれた新しいケーキに目を輝かせるフリーナ様の手を私は横から掴み止める。驚嘆した様に此方を見上げる彼女に対し私はその手の甲に軽く口付けを落とした
「なっ…ななななっ……っ…!」
そのまま視線のみ彼女に向ければ、真っ赤な顔で口の開閉を繰り返すフリーナ様が目に入る。コレは面白いと口角が上がったと同時に彼女はバッと手を振り払った
「急に何をするんだい!?」
『恋人になればキスのひとつや二つするものです…貴女も私も恋人らしい事を一つもしてないじゃありませんか。変わった事と言えば私に仕事が増えたくらいで……指先が少し触れたくらいでそんな照れる事もないでしょうに』
「へっ…?……い、いや……だって……その…」
『はい?』
「…Aのこと…好き過ぎて、手を繋ぐだけでも…おかしくなりそうだから」
プシューと湯気を出して顔を隠したフリーナ様の言葉に私は思わず目元を抑え天を仰いだ
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時