水神様と執事が1人 ページ3
支度を終え朝食も終え、一通りの事を終えた後、フリーナはどこかへ足を運ぼうとする男の服を掴み止めた
「A、黙って離れるなって言っているだろう!」
『然しフリーナ様』
「キミは僕のお気に入りなんだ。何度も言っているけど勝手に離れる事は許さないよ。別に…何処にも行くなって言ってる訳じゃないんだから……何処に行くのかくらい教えてくれ」
『……では申し上げます。お手洗いに行こうとしておりました』
Aと呼ばれた男は小さく溜息を零し発言する。一瞬の沈黙の後、フリーナはハッと手を離し「早く行って来るんだ!」と顔を赤くし叫んだ
『…では、失礼致します』
許可を得たAは頭を下げその場から早足に立ち去る。子気味の良い靴音を鳴らし歩いて行くが、ふと背に重みがかかった。反射的に足を止めた彼は振り返らずとも理解し、そしてこの状況を打破すべく思考を回転させた
(……クロリンデでもヌヴィレットでも誰でもいいから来てくれ頼むから…)
然、良い考えが浮かび上がらず彼は数名の者の顔を思い浮かべ願うばかり。背から己の腹に回される小さな手を振り払う事など到底出来そうになかった
『……貴女様は私に粗相をしろと仰いますか』
「違う。けど……そう言って逃げたら嫌だから」
『私は逃げませんよ』
「証拠はあるのか、逃げない証拠は……大体…僕を1人にしないと言ったのはキミじゃないか」
『せめて、せめて数分下さい……あの、本当に、私も生きていますのでお手洗いくらい行きますし、限界というのもあります』
「僕がご飯食べてる時に行けば良かっただろう」
『あーーなたが傍に居ろと仰ったんでしょう!本当に離してください!……わかりましたわかりました!後で街を歩きましょう!食べたいものを買います!』
「よし!それで手を打ってやる!……僕は此処で待っているから、早く来るんだぞ」
満足げに笑うフリーナに引き攣った笑みを返したAは何とか手洗いを済ませ、再び彼女の元へと戻るのだった
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時