友の気がかり ページ19
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それから幾つもの時が過ぎフォンテーヌから離れたスメールのキャラバン宿駅にて、異郷の旅人はとある男から一通の手紙を渡されていた
「済まないが、これをとある者に渡して欲しい」
男は漆黒の衣装を身に纏い顔の右半分を仮面の様なもので覆い隠していた。彼から手渡された手紙を眺める旅人の横でふわふわと浮かぶ不思議な生物が口を開く
「手紙?…宛名がないけど誰に渡せば良いんだよ?」
「其れは俺の友に宛てた手紙だ」
「つまりダインの友達に渡せば良いのか?……じゃなくて、その友達が誰かって聞いてるんだ!」
「友の名はA。随分と前から水神の付き人をしている男だ」
「水神の付き人ー!?」
ダイン、と呼ばれた男が口を開けば不思議な生物は驚いた様に叫ぶ。隣に居た旅人もまた驚嘆した様に目を見開きダインの言葉を待っていた
「あぁ。奴は俺と同じ呪いを受けた身でありながら…今は神に仕えている。だいぶ前に道を違えてからは顔も合わせていないが、手紙のやり取りはしていたんだ。その間返事が返って来た事は一度もなかったが」
「…それはやり取りとは言わないと思うぞ……それで?なんで今回はわざわざオイラ達に頼んだんだ?」
「特別な理由がある訳では無い」
「じゃあ自分で渡せば良いじゃないかー!」
「………。強いて言うなら、彼奴がどのような状況なのか確認して欲しい」
「ダインはその友達が心配なんだね」
「心配…か。そう思うならばそれでいい。俺が気がかりなのは彼奴の考えだ。神を恨んでいる事に間違いはない筈なのに、何故水神の付き人をしているのか……今の水神はカーンルイアの滅亡と関わりが無いとはいえ、神である事に変わりは無い」
冷たい夜風に髪を揺らしダインは微かに視線を落とす。その瞳に写すは何時かの友の顔……彼は1つ息を吐き、目の前の2人へ再び視線を戻した
「…兎も角頼んだ。また何時か会った時に友の様子を聞かせてくれ」
そう一言残すと彼はその場から去り、残された旅人達は手の中にある手紙へと視線を落とし小さく呟いた
「……友達いたんだね」
「オイラびっくりしたぞ…」
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風船ガム - (名前)さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!フリーナに加え主人公も大好きと言って頂けて嬉しいです!……出会い編…書きたいと思っております!これからも応援宜しくお願いします! (9月23日 21時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 大好きです!主人公やフリーナちゃんが大好きでいつも見返しています( *´꒳`*)出会い編とかあったらさらに嬉しいです☺✨体調には十分に気をつけてお過ごし下さい。これからも応援しています‼️ (9月20日 21時) (レス) @page34 id: 56929420b7 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 鏡花水月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!フリーナ可愛いですよね!…コメントは執筆のモチベーションに繋がります…ありがとうございます!(´;ω;`) (9月4日 12時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花水月(プロフ) - フリーナちゃん可愛すぎます!お話も読んでいて凄くキュンキュンするし最高です!(,,> <,,) (9月3日 21時) (レス) @page19 id: 39a51ddb92 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - リリィさん» コメントありがとうございます!フリーナ可愛いから生まれた産物でございます…嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張ります! (8月24日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年8月23日 20時